この部屋で一緒に暮らそう2


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「そろそろお風呂沸かしておこうかな…」
テーブルのセッティングを終えて時計を見ると、流石にもう帰って来てもおかしくない時間。
こういう時、電熱コンロって楽で良いわね。
弱火に合わせてタイマーオフをセッティングするだけで、焦げ付かさずに煮込めるんだから。
鍋を覗くと上手い具合にとろみが付いて良い感じになってる。
もう少し水分を飛ばしておきたいから、弱火でもう30分って所かしら。
タイマーをセットしてアタシは浴室に。
湯沸し機のスイッチをONにして、温度は熱めの40度、お湯の量は…冷めた時を考えて浴槽の半分位かな。
アタシにはちょっと熱いんだけど、アイツには丁度良いみたい。
何でも日本人の中の江戸っ子の粋という奴らしいわね。
外で汗を掻いた後は熱めの湯で汗を流すのがカッコいいとか?
アタシも日本に来て結構経つけど、どうもその辺の感性は解んないわね。
食事も後はパスタを茹でてサラダを盛りつけるだけ、お風呂は何時でも入れる様に沸かした。
洗濯物も片付けたし、掃除も終わらせた。
……する事、無くなっちゃったなぁ。
TVを見ても面白そうなのやってないし、本棚を見ても…見るだけ無駄だった、チェロの楽譜が数冊あるだけ。
「……もう、何時までアタシを待たせたら気が済むのよ」
ベッドの上で座ってたら、なーんか眠くなって来ちゃいそう――――――。







「…カ? アスカ? 起きてよ、アスカ」
「うぅん…遅いわよぅ、待ちくたびれちゃったじゃない」
「来てるなら連絡くれたら良かったのに」
やっと帰ってきた。
やっぱり転寝しちゃってたわね、アタシ。
でも、これがアタシ達の休日のパターンなのよね。
「あら? どうせ帰るの面倒になって、眠いからそのまま寝ちゃえってラボで寝ちゃったんでしょ?」
「あはは…やっぱバレてた?」
「折角の休みなのに毎回コレだもの。お仕事熱心なのは良いけど、アタシの事まで忘れないでよネ?」
「別に忘れてる訳じゃないんだけどね…埋め合わせは次の休みの時にするから機嫌直してよ」
「もう、毎回そればっかりじゃ…んっ……もう! ごまかさないのっ!」
自分の都合が悪くなるといつもコレ。
拗ねたアタシのご機嫌取りにキスしてくれる。
その……まぁ、嫌じゃないんだけど。
うん、嬉しい……でもやっぱり何と言うか、ね?
ちょっと気恥ずかしいけど、アタシ達の仲直りの為のささやかな儀式な訳。
「お風呂用意してあるから先に済ませちゃってよ。その間に夕食用意するから」
「え? 一緒に入らないの?」
「調子に乗るな!」

アイツを体よく浴室に追いやった後、たっぷりのお湯でパスタを茹でる。
レタスを良く水切りして器に盛り付けてっと。
ドレッシングは…今日はパスタだから、ハーブソルトとオリーブオイルでシンプルにしようかな。
ミートソースを温め直して、茹で上がったパスタを軽く塩コショウとオリーブオイルで炒める。
別にバターで炒めても良いんだけど、それだとちょっと仕上がりがシツコイ。
皿に取り分けて、ミートソースを掛ければ出来上がり。
食べる直前にパルメザンチーズを振り掛ければ完璧ね。
「あ、これ久々だね」
丁度お風呂から上がったみたいね、タイミングばっちり!
「久々って…前に作った分結構あったじゃない」
「すぐ無くなったよ? ほら、簡単だからさ」
「早く帰って来た時位、無精せずにちゃんと食べなさい」
やっぱりね。
作る手間が省けるからパスタと冷凍ミートソースの食事ばっかり。
「そうは言ってもですね…一人だと作る気が削がれると言うか…お腹が膨れれば良いと言うか…」
「馬鹿な事言ってんじゃないわよ」
「いやぁ…食事は作って貰うのが一番かなぁ…と」
―――――アンタ、ホントニバカネ。
翌日が仕事じゃなければねぇ…ご褒美にワインを出してあげても良かったんだけど。
アタシもつくづく甘くなったものよネ?
でも今日の所はワインは無し。
「煽てても何も出ないわよ?」
「別に煽ててないよ?」

やっぱり一人より二人の方が良い。
何かね、食べてても心が美味しいって感じるのよね。
別に味覚が狂ってる訳じゃないのよ。
美味しい物は美味しいって判るもの。
けど味の良し悪しが判るだけで、食事する時間を楽しめないの。
こうして二人で一緒に食事していると、何故だか料理も時間も美味しく楽しめるのを実感しちゃうのよ。
もう我慢出来ない!
一人で過ごす夜も、休日も、もう要らないっ!
それにしても、まだサラダの意味に気付かないのかしら?
「ねぇ、シンジ…アタシの事、愛してる?」
ちょっと上目遣いで聞いてみる。
「え? いきなり何言い出すのさ?」
この鈍感!
しれっと聞き直してんじゃないわよ!
人が一大覚悟でちょっと可愛子ぶって聞いてるってーのに!
「だーかーらー、アタシの事愛してるのかどうか聞いてるんだってば」
「うーん…少なくともこうして一緒に居るのは、好きじゃないと無理だと思うけどね?」
サラダに目が行ってるって事は話半分に聞いてるか冗談だと思ってるわね…。
「最近休みが重なってもアンタってば、ちょっとでも遅くなったら前日でもすぐラボで寝ちゃうじゃない」
「それ言われると僕も困るんだけどね…」
「お互い抱えてる奴が山場だってのは解るけど、もうちょっとアタシの事大切にしてくれても良いんじゃない?」
「例えば?」
「アタシの事ちゃんと見て、愛してるって言ってくれてもバチは当らないと思うんだけど?」
「それって今?」
やっとアタシの顔見たわね…。
ここまで言わないとダメってのも問題だわ。
「もちろん! ソレだけで愛しさも増すのヨ?」
「それって随分単純じゃないかなぁ…」
「そういうモノなの。女はみんな基本的に愛情に関しては単純だもん!」
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