僕達はチェックインを済ませると部屋に荷物を置いて外を少し散策する事にした。アスカの予約した旅館は周りを自然に囲まれた趣きのある旅館で落ち着いた雰囲気を醸しだしている。
「どう?この間行った場所も楽しかったけどこういう場所も落ち着けて良いでしょ?」
アスカは僕の少し前を歩きながら話しかけてくる。普段の雑踏とした都会から落ち着いた自然の中へ…
「そうだね。別荘とか欲しくなるよ」
「おっ!シンジには頑張って仕事してもらわないと♪」
アスカは立ち止まって僕が来るのを待っている。楽しそうに微笑んで腕を絡ませてきた。
とてもリラックスした表情を浮かべ僕達は散策を楽しんだ。
旅館の前に戻ってくると辺りも薄暗く夕闇が迫っていた。ただの散歩でも好きな人と歩けば有意義に過ごせる。
僕達が部屋に戻り、暫くすると夕食が運ばれてきた。
「シンジ。美味しいね」
「でも僕はアスカの料理の方が好きだな」
「…それ、狙って言った?」
「バレた?」
たわいのない会話でも普段と違うと盛り上がった。アスカの言葉尻もいつもより優しいし、僕もいつもなら言わない事でアスカを喜ばせる。浴衣を着たアスカはとても可愛く見えた。
慣れないお酒を顔を赤らめながら少しづつ呑むアスカ。
日常では見れない姿に改めて僕はアスカと結婚して良かったな。と、穏やかな気持ちに包まれる。
「そろそろ温泉行かない?ここって家族風呂があるのよ。さっき予約してきたから」
「それじゃあ…」
「そういう事。一緒にお風呂に入りましょう?」
今日のアスカは何だか僕に凄く甘えてくる。お風呂に入る準備をして僕達は手を繋ぎながらフロントに向かう。鍵を受け取って家族風呂に着くとアスカは露天になっているお風呂に感動していた。
「すご~いっ!見て見てシンジッ!星綺麗だよ」
「あははっ♪ほらアスカ。そんなにはしゃいだら滑って転んじゃうよ?」
僕達は浴衣を脱ぐとお湯で軽く身体を流し岩で周りを飾られた湯船に足をつけた。
最終更新:2007年06月08日 00:45