朝。新しく家族が増えた。といっても、また新たに子宝に恵まれた、という訳じゃない。昨日、2月22日は「猫の日」だかなんだかだそうで、シンジが近所の方から子猫を一匹もらい受けてきたのだ。アメリカン・ショートヘアの子猫で、ミーミー鳴くので「ミーちゃん」と娘が名付ける。早速、家族三人で世話を始めるが、好奇心の固まりのようなミーちゃんは、飛んだり跳ねたり走り回ったりで全く言うことを聞いてくれない。「マッタク、昔のアスカみたいだ…」とシンジがボソッと呟いたのをアタシは見逃さなかった。さぁ、どう料理してくれようか。
昼。ようやく落ち着きを取り戻したミーちゃんも連れて、一家総出でお散歩に出掛ける。最近になって知ったのだけれど、第三新東京市市営住宅付属の公園の片隅には、小さいけれども梅園がひっそりと佇んでいるのだ。今朝のアタシへの非礼のお詫びの印としてシンジに作らせたお弁当を、「八重野梅」と表記された梅の木の下でみんなでお昼を食べる。まだ七分咲き、といったところだけれど、紅白のグラデーションと微かに香る梅の花の匂いが目と鼻に心地よい。ポカポカした春の太陽と柔らかな風に誘われて、遊び疲れた娘とミーちゃんはうつらうつらしている。そんな様子をシンジと見守りながら、また遊びに来ようね、と寝顔に話しかけた。
夜。…シンジがミーちゃんと話し合っている。「へぇ、そうなんだ?そうだね、大変だね。それからどうしたの?」∧_∧(♯゚д゚)ミャー!ミーミーミャー!「偉いね、よく頑張ったね」∧_∧( *・∀・) = 3ひとしきり語らい合い、満足げな一人と一匹。…今日の夜は「野梅」ならぬ「夜這い」をシンジに仕掛けてしまいそうだ。
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