アスカの料理奮闘記~片づけをしよう~2

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おそらく、まだ慣れない手つきで料理するアスカがこぼした、コンロ周りにある食材を 求めてゴキブリが出てきたのだろう。だから片付けようといったのに・・・ 「助けてよ・・・ シンジ・・・」 いつもとは違う、怯えきった仔犬のような瞳で僕に訴えかけてくる。その何とも儚げな 姿にさっきまでのアスカへの不満はどこかへ飛んでいってしまった。 そして恥ずかしながら僕は魔王から麗しの姫君を守る騎士になったかのように思えてきた。 「大丈夫、アスカは僕が守る」 そしていつもなら絶対に言わないような歯の浮くような台詞を出してしまった。 僕は剣(新聞紙を丸めたヤツ)を握り締め、魔王(ゴキブリ)と対峙。狙い定めて一閃。 パァアン!! 見事、魔王を打ち倒した。 「やったよ、アスカ!」 「ありがとう!! シンジ!」 ヒロイック・ファンタジーもののラストシーンのような雰囲気。 ただし、悲しいことに現実は甘くない。 【一匹見かけたら三十匹はいると思え】 ブゥウゥゥゥ・・ン  ポテッ 感動のシーンの最中に登場する大魔王のように一匹のゴキブリがアスカ目の前に飛来。 あまりの急な出来事に今度は声すら上がらないようだ。しばらく石化したアスカはその後 復活し、凄まじい速さで物置にある対ゴキブリ戦用決戦兵器の数々を持ち出してきた。 今そこにあるアスカの顔は麗しの姫君ではなく赤鬼。エヴァ弐号機のように顔を紅潮させ、 その目にはありありと怒りが感じられた。           怖すぎるよアスカ・・・ 「この! 何で居なくならないのよ! このクソゴキども!!」 たたき棒でゴキブリを追い掛け回すアスカ。それを嘲笑うかのように逃げ延びるゴキブリ。 「チィ! これじゃ 埒が明かないわ!! 次!」 たたき棒からスプレー式殺虫剤に持ち替え、ゴキブリに向け噴射。  ちょっと、アスカ! こっちに噴射口向けないでよ!   ゲホゲホッ! とりあえず一匹は仕留めたが、この騒ぎのせいでチョロチョロと2~3匹見え隠れする。 ・・・ぷちん・・・ あっ ヤバい・・・ アスカが完全にキレた。 「殺してやる、殺してやる、殺してやる、コロシテヤル、コロシテヤル、コロシ・・・・」 そして、ついにアスカは対ゴキブリ戦用最終兵器を取り出した。 「くらえ!! N2・バァル○ン・グレネードォ!!!」 妙なネーミングを付け、買い置きしていたバル○ンを部屋ごとに撒き散らかすアスカ。 ヤバイって、アスカ!! 僕は急いでパソコンやテレビ・コンポなどの機械にタオルなど をかけて回る事にした。一方のアスカは 「この使徒にも勝利した私達がアンタ達に負ける訳が無いのよ!! 殲滅、殲滅ぅ!!」 と殆ど狂気に取り付かれ騒いでいた。    ・・・明日は近所の人達に謝りに行こう。 家中が白い霧で覆われたので僕はアスカの腕を掴み、ベランダへと出てきた。 しばらくして落ち着いたのか、また仔犬のような瞳で僕を見つめて一言。 「ごめんね・・・ シンジ」 全く、ずるいよアスカは! そんな顔したアスカを怒れる訳無いじゃないか! 「クシュン」 アスカは可愛いくしゃみを一つした。 まだ、暖かくなってきたとはいえ夜は冷える。 二人とも薄着でベランダに出たものだから僕も少々寒い。今さら家の中には入れないし・・・ 僕はしゃがんでるアスカを後ろから抱きしめ、朝日が昇るまでの間お互いで暖をとる事にした。 おしまい

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