ゆりかごの詩

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ゆりかごの詩。 『ゆ~りかご~のう~たを~…』 『カ~ナリアがう~たうよ~…』 聞こえてくるのは小波の音とアスカの子守歌。僕の視界には青い空が広がっていた。 『シンジ』 アスカが呼び掛けてくる。いつものツンツンした声じゃなく、柔らかく優しい音色。 僕はその音色に答えようとした。 『シンジ』 なぜだろう。 あの時聞いた母さんの声と被って聞こえる、懐かしい母さんの声だ。 『シンジ、アンタの選択は間違っていなかったのよ』 『アタシはアンタと一緒に居られた』 『それだけでも素晴らしいことよ?』 アスカ。 僕は…君を守れなかった。 『シンジ、アタシが居なくても浮気しちゃダメだからね。したら絶交よ、離婚よ』 僕はそんなことしないよ、…怖くて出来ないよ。 『シンジ。』『ありがとう。』 アスカ…アスカ! 僕は、僕は…アスカがいないと…! アスカァァァッ! 「…シンジ?」 …ゆっくりと目を開ける、そこにはアスカの顔があった。 どうやらアスカの膝で居眠りをしちゃったみたいだ。 夢だった、僕は夢を見ていたんだと確信した。 そしたらふと涙が零れる、ポロポロと止めどなく涙が溢れる。 まるで子供が母に泣きつくかのように顔を押しつけた。 「変な夢でも見たの?」 僕は声を上げ泣き続けた。ひとしきり泣くと僕はアスカに顔を向ける。 ねえアスカ、僕はどんなことがあっても君を守るから。 僕はもう臆病者なんかじゃない、絶対に君を守るから。 そう心に誓い、僕はアスカの頬に唇を添えた。 アスカ、これからも一緒に居て良いかい? 結婚記念日、おめでとう。 そして、ありがとう。 補完

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