ミズキ、誕生

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『シンジ……シンジ…』 『…母さん…』 『……おめでとう…』 …母さん? …変な夢を見てしまった、これも仕事の疲れだろうか。 「…久しぶりに母さんの夢を見たな…」 懐かしさと、まだ残る母のぬくもりに恍惚としていたけど、それを時間は許してくれない。 「起きなさ~いっ!バカシンジッ!」 …朝から元気だな、…ああ…今日は朝早くから会議があるんだった。 …?そういえば、起こしにきたアスカの顔色を見てみると、なんだか暗い。 「アスカ…顔色悪いけど大丈夫?」 「…フッフン!アタシはいつだって元気なんだから…!」 元気そうにはまるで見えない。いつも無理するんだから…。 「アスカ、今日は休んでお医者さん行ってきなよ」 「なにいってるの!アタシは元気!」 …このまま言い続けたらアスカのことだから、絶対行かなくなるな…。 …仕方ない、今日の帰りにでも連れて行こう。 「やぁシンジ君、休憩かい?」 ネルフの自販機コーナーで休憩していると、加持さんが来てジュースを奢ってくれた。 「ハッハッハ、今朝そんなことがあったのかい?」 今朝のアスカの様子を話すと、加持さんは笑いながらアドバイスしてくれた。 「葛城もそうなんだよ、あまり面に出したがらないってことだな。 そんな時は、…優しく聞いて見ろ」 「優しく…?」 「ああ、優しくさ。 頼れるってところを見せつけるんだよ。そうすりゃガードは剥がれる…、若い内はな?」 「若い内って…ミサトさんは若くないんですか?」 「まぁ…な」 嫌な予感が…、いつもこういう時は… 「あ゛ーっ?なんか言ったかテメェ!」…やっぱり来た。地獄耳というかなんというか… 「いててっ!まっまぁそういうことだ!いでっ!止めろミサトっ!」 あれも夫婦のカタチなんだろうか。 その頃、A―7研究室 「ヴー…気持ち悪いわ…吐きそう…」 朝から気持ち悪い…、吐き気が止まらない 「アスカ…、大丈夫…?」 「大丈夫でない…トイレ行ってきて良い?」 「良いんじゃない?私はここにいるから」 「ありがと、じゃ行ってくるわ」 ヒカリの言葉に甘え、トイレに行く。 トイレで吐いているとミサトが出てきた 「あらぁ?アスカ、つ・わ・り?」 っ!?…何をいうのかしらミサトったら…! 「そんなわけないわよ!」 「でもぉ…毎日御盛んなんでしょ?あり得るわよ?」 …うっ…そうね… 「妊娠検査薬もらってきて上げるから待っててねん♪」 5分後、ミサトが検査薬を持って戻ってきた 「さっ、早く早く!」 …どうせ妊娠なんかしてないわ、茶番よ茶番! だが、その考えは裏切られることになった。 「…おめでた、ね?」

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