冬月コウゾウ補完計画3

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「副司令……」 ああ、わかっているよ。 「……最早手の尽くしようがないと思われます…。 余命は良くて1ヶ月、…副司令。」 ……老いた体よ、もう…限界ということか。 …もう少しだけ、私に付き合ってくれ。 死に至る病、そして 「冬月、健康診断はどうだったのだ?」 「ああ、綺麗なものだった」 わざわざ医師に頼んで偽造してもらった診断書を見せる、その書類は健康であると語っていた。 「我々ももう歳だからな、健康には気をつけねばなるまい。 冬月、今日は帰って休むといい。健康診断には疲労がつきまとう」 「…ああ、そうさせてもらうよ」 リニアシューターを使い、第三新東京市に向かう。 立ったり座ったりすることがこんなに困難だったとは…老いてから知ることも多い。 そんなことを考えていたら、終点に辿り着いた。 空は蒼々とし、そこにあった。 「……久しぶりだな、こんなに晴れた空は」 …あと何度…この空を見られるのだろうか。 「あっ、副司令さーん!」 私がベンチに座り、空を眺めていると碇の孫に出会った。 そういえば、もう中学生…1ヶ月後には卒業だったな。 「おや、ミズキ君じゃないか。今日はどうした?」 「今日は受験の発表で…役所で聞いてきたんです!」 「たしか、京都だったかな? どうだったい?」 「はいっ!副司令が薦めてくれた京都第七高等学校に受かりました!」 ハハハ…いつみてもこの子には癒される。 この子の目はユイ君にそっくりだな…。 翌日、各部署を見回りしていると寝不足気味のシンジ君がいた。 昨日、碇とアスカ君が騒ぎすぎたようだ。 「シンジ君」 「…副司令?」 「仮眠室ですこし休みたまえ、仕事が手についていないだろう」 「あっ…でも…」 「…他人に迷惑を掛けるだけだ。休みたまえ」 いつになく厳しく言ってしまった、…今の言葉は自分に言いたいのかもしれない。 「…はい、それじゃ…」 シンジ君が立ち去っていった、少し不機嫌になっていたようだ。 私も、ゆっくりと部屋を出る。滲むような痛みが時々襲ってくる。 「…冬月、今日は長かったな」 「いろいろと部署を回っていたら遅くなった、昨日は随分騒いでいたようだな」 「…ああ、むろんだ。」 「シンジ君が寝不足気味だったぞ?まったく…」 「良いじゃないか、…冬月、一局どうだ?」 「…受けて立とう」 …いつも通り、雑談をした後将棋を指す。 碇は様々な戦術を仕掛けてくる、私も戦術を組み立て立ち向かう。それが日常、そうやってしばらくの時は流れていった

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