アスカのお弁当戦争2

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6時、第三新東京市にあるセレブ御用達の高級スーパー。 まだ開店しておらず、まだ仕入れのトラックが1~2台見える程度の駐車場にはアスカのブレーキングによってつけられたタイヤの跡が10数mに渡って付いている。 余談だがここまでの道のりを朝、車が少ないとはいえこれだけの短時間で走破したアスカは脅威である。 郊外から都心に向かうため一つ峠を越えてきた際、多くの走り屋がちぎっては投げちぎっては投げられるかのようにパスされ、不滅の大コースレコードまで記録し伝説となったという。まさに天才惣流・アスカ・ラングレーここにあり、である。 当然帰りでも同様だったのは言うまでもない。 アスカは着くと、すぐに携帯電話でこの店問い合わせ窓口へと電話を掛けた。 当然のように店側はまだ開けることはできないと言う。 「はぁ!ふざけんじゃないわよ!あんたじゃ話になんないわ!こっちも時間ないんだからさっさと責任者連れてきなさい!NERVの惣流だって言えばすぐわかるわ!」 アスカは普段は嫌いなNERVの特権をも使いなりふり構わず使ってしまっている。 5分後、店は見事に開けられた。 しかしこれはNERVの後ろ盾だけではなく、組織内でのアスカの地位の大きさによるところが大きいだろう。 「先ほどは失礼しました。惣流様。御申し付けがあればなんなりと。」 「ふふふ、良くってよ。ではお言葉に甘えて有○産の車海老10尾と、松○牛の肩ロースを500gさっさと持ってきてくださるかしら?」 かしこまりました、と言うとオーナーらしき男は店の奥へと駆け足で向かっていった。 待つこと数分、男が戻ってきたがどうも表情が芳しくない。 「すいません、海老の方なんですが、実は旬が過ぎて漁獲量が減ったのと、昨日たくさん買っていったお客様がおりまs・・・ヒッ」 男はアスカの顔を見て恐怖した。店ではいつも微笑みを絶やさず器量良しで知られ、NERVの幹部という地位を持つ正真正銘のスーパーセレブが鬼のような形相で何事かをつぶやいている。 「なん・・・つもこいつも・・・しの邪魔ばっかり・・・っ・・してやる・・・ロス・・・コロ・・・コロス・・・ブツブツブツブツ」 男はなんとか笑顔を作り、決死の思いでアスカへと話し掛けた。 「あ、あの。奥様?」 「は・・・あ、あらあたしとしたことが。ほほほほ!何かしら?」 「はい!冷凍食品の車海老のフライなら用意できるんですけども・・・」 アスカはあからさまに嫌悪の顔を示し、アスカに多少の憧れを持っていた男にまた失望と恐怖を与える。 は?あんたあたしに冷凍食品なんて安っぽいもの買えってんの?とでも言うような顔。 しかし、アスカはチラッと時計を見て一瞬思案するような顔をすると 大きくため息を一つつき、時間もないのでしょうがないとそれを買うことに決める。 アスカが自宅に戻るころには6時半を既に回っていた。 二章 終

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