碇シンジ もっとも長い誕生日

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『碇シンジ もっとも長い誕生日』 「誕生日おめでとう、シンジ!」 午前0時を告げた瞬間、真っ先に祝ってくれるアスカ、何度も祝ってもらっているが、 やっぱり一番好きな人に祝って貰うのは何より嬉しい。 「ハイ! これプレゼント!」 外は真っ暗だと言うのにアスカの笑顔は白色矮星のように眩しい。 「開けて良い?」 「もっちろん!! 今すぐ開けなさい!」 何故命令口調?と疑問に思ったが、そんなことを詮索するのはアスカに失礼であろうから 一先ず置いておこう。丁寧にラッピングされた箱から出てきたものは・・・ 【 最高級 】 超・絶倫赤マムシドリンク 1ダース入り 「え~~~っと・・・  アスカ?」 「なにィ?」 アスカが妖艶に微笑む。 先ほどの眩しいまでの笑顔とは全くベクトルの違う笑顔に僕は戸惑う。 「コレは?」 「シンジの誕生日プレゼント。その壱。その弐は勿論・・・」 恥ずかしそうにそれから先は言葉に出さないが、アスカの人差し指は己を指している。 そうか・・・ そうですか・・・ そういう意味ですか。 「・・・ 今日は眠らせないわよ」 「明日、仕事なんだけど・・・」 「問題ないわよ、アタシが今日は休みますって連絡入れといたから、昨日の内に」 どこぞのヒゲ親父も顔負けの裏工作と根回しの良さに目眩を覚える。改めて言わせて 貰えば先程アスカは『今日は眠らせない』と言った。決して『今夜は』では無い。 僕は覚悟を決め、プレゼントその弐に手を付けることにし、頭の中で今日という日に 早々と別れを告げることにした。 皆様は良い一日でありますように・・・

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