好敵手2 

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高校三年の時に綾波がアメリカに転校してしまう最後の日でさえ空港で大喧嘩した… 私達は泣きながら… 「…そう。碇君と」 「うん」 綾波の声で私は追憶から抜け出す。綾波の瞳から一筋の涙が溢れ落ちた。 「…私、碇君の事大好きだった。この街に戻ってきたのも淡い期待をしててなの…」 「…うん」 綾波は私の左手をそっと両手で包み呟く。 「結婚おめでとう。貴方になら碇君を幸せに出来るわ」 「…うん」 私の涙が綾波の手の甲にポタリと落ちる。本当にお互い大人になった…昔の私達は信じられるだろうか?今の私達の姿を… 「けど困ったわぁ…」 「何よッ!ニヤニヤして」 「たまに貴方達夫婦に会ったら私、『こんにちわ碇君、碇さん』って…馬鹿みたいじゃない?」 「シンジは名前で呼べば良いじゃない」 「嫌よ!私貴方が『シンジ』って呼んでるから碇君って呼んでたのよ。」 「知ってた?ア・ス・カさん♪」 「なっ…綾波、今私の事アスカって…」 「うふふっ、これからは私達、名前で呼び合いましょ。アスカ」 私は思いっきり顔を赤くして綾波…ううんレイの名を呟く。 「…これからも宜しくねレイ」 帰り道で聞いたレイの引越し先は偶然にも私達と同じマンションだった。引越し祝いと再会かねたパーティーを今日ひらく事に 「楽しみだわ。碇君格好良くなってるかしら」 「ちょっとレイ!シンジにちょっかい出したら怒るからね!」 私達は笑いながら帰り道を歩く。夕陽に照らされた私達はまるで高校生の時みたくはしゃいでいた。 【終り】

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