シンジ 家を追い出される2

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シンジを追い出しても怒りの、おさまらないアスカ 『あのバカ!どうせ行く所は分かってるんだから!プンプン!』 と頭から煙りをだしながもシンジの着替えと明日のYシャツネクタイ靴下をバックに詰め込み 『フゥ~しょうがない、お母様に愚痴ってくるか』 『その前に、これをバカシンジに渡してこないと』 なぜか怒っていても少し笑顔のアスカ 駐車場に向かい自分の車に乗り込む 碇家には二台の車がある 一台は足がわりの軽自動車とアスカ専用ドイツ製ベンツのオープンカーである もちろん色は赤 セカンドインパクト前のビンテージもので希少車 故障が多いがアスカ曰わく手離す気は全くないらしい 理由は、独身時代シンジに無理やりせがんで買ってもらった思い出の車だって事は言えない 車で走り出して間もなく目的地近くで男二人がトボトボ歩く姿確認して 安堵のため息 フゥ~ 『やっぱり緊急避難所ケンスケ宅に行こうとしてるわね』 『ホントいつもワンパターンなんだから』 男二人に近づき突き放す言い方で声をかける 『・・シンジ・・』 シンジ肩をビクッとさせながら 『ア・アスカ・・』無愛想にバックとカバンをシンジに渡す 『これ着替えと仕事のカバン』 戸惑いながら『え?あっうん』 『ありがと』 アスカいつもの調子で 『べ・別にお礼なんて…いいわよ!』 『頭冷やして明日は仕事終わったら真っ直ぐ帰ってくるのよ!』 バツ悪そうに頭書きながらシンジ 『うん』 アスカ勝ち誇った表情で笑みを浮かべニヤリと 『よろしい』 『じゃあね~』 車に乗り込み走り去るブロロロ~ 見送るシンジがボソり 『アスカあの車に乗ってきたんだ…』 トウジが不思議そうに 『シンジあの車がどないしたって?』 『シンジ、アスカまだあの車に乗ってたんだ古いやろあれ?』 シンジ照れながら 『ああっ・・気に入ってるみたいだからさ・・・』 それから数十分後赤い車は郊外の一戸建ての家の駐車場にいた 乗っていた人物は既に家の中のリビングのソファーに座りながら何やら喋っている いや正確には、ある人物に向かい一人で喋り捲っている 『お母様!まったく!バカシンジときたら!』 なかば呆れ顔で時には笑顔で紅茶を軽く飲みながら聞き入るシンジの母親碇ユイ 『お母様!聞いてますか?』 ニコニコしながら聞いてるユイ 『はい聞いてますよ』 『アスカちゃん夕御飯まだでしょ?』 アスカ突然とっぴょうしもない質問に思わず素で 『あ・はい、まだです』 『じゃ残り物で良かったら軽く何か作るわね』 キッチンに向かい冷蔵庫の中の食材を見ながら 『アスカちゃん焼きそばでいい?』 ポカーンとした表情のアスカは 『焼きそばでかまいませんよ』 と言うのが精一杯だった キッチンで手際よく料理を始めるユイに向かい 『あたし手伝います』 ユイは優しく 『いいのよアスカちゃん座ってなさい』 『うちの人もだけどホント男って勝手よね~ 女の気も知らないで』 『うちの人なんて・・・』 フゥ~ 『昔は私が海外に単身赴任してる頃に愛人は作るし・・あたしの同級生には手出すし・・』 『挙げ句に、その同級生の娘にまで手出して大変だったのよ』 キッチンからの、いい香りにお腹鳴らしながらアスカ ふぅ~ん 『別れようとか考えなかったんですか?』 出来た焼きそば皿に盛り付けながらユイは 『出来た!』 『はいアスカちゃん召し上がれ』 と焼きそばをアスカに差し出す 『別れようとはしなかったわ』 『あの人の事信じて愛してたからね』 優しく微笑みながらアスカを見つめ優しい口調で 『アスカちゃんもでしょ』 『シンジの事愛してるから・・』

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