アスカ、切迫流産のために緊急入院

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補足:未来とは子供のことです まだ未来が産まれない時のことだ。 産婦人科の病院の個室にアスカは切迫流産のために緊急入院していた。 ブドウ糖の点滴の様子を見ながら不安な表情をしているシンジ。 鎮静剤が効いているのかアスカは眠っている。 シンジは医師の説明をアスカにどう話したらいいか考えている。 「五分五分ですね。 今のところ赤ちゃんは無事ですよ。18週目に入っていますから、赤ちゃんの体には異常はみられないし、心音もはっきり聞こえます。 エコーで確認しましたが元気です。 ただまた出血する可能性や早産の可能性があります。 このことは奥さんには少しの間言わないでおきましょう。」 医師はアスカの流産の処置をした後、渋い顔をしながらシンジに、万が一、子どもが早産で産まれてくる場合は帝王切開で産ませることや理由を詳しく説明した。 赤ん坊が障害児になるかもしれないなんて言うわけにいかないと思った。 「シンジ、ごめんね」鎮静剤がきれたのか、目を覚ましたアスカは泣きそうな声で謝った。 「赤ちゃんは無事だよ。だから安心してアスカ。謝らなくていいんだよ」シンジはアスカの手をそっと握った。 「どうして怒らないの?アタシ、赤ちゃんの管理できなかったのよ」アスカは泣きながらシンジに言った。 「アスカが悪いんじゃないんだ。赤ちゃんは女の子だってさ。元気だって。たまたま体調が悪かっただけだよ」というシンジの言葉にアスカは首を振って否定した。 シンジは自分を責めているアスカに何も言えなかった。 もし、母が生きていたらアスカみたいに自分を責めるのだろうかとシンジは思った。 自分は男だし、いまだ父親としての実感はないし微妙だった。 ただ、アスカの切迫流産の時、赤ん坊の障害についてのリスクを医師から話された時、無事に産まれてほしいと思ったことは確かだ。 時々、産科での検診で一緒にエコーの画像を見ながら不思議な気持ちで胎児の成長を見ていた自分には父親の自覚はなかったようだ。 ふたりの命を自分は抱えているのにアスカより成長や自覚が足りない自分が歯がゆかった。 アスカの容態が安定して退院が決まったのは一週間後だった。 アスカはシンジにおなかを触ってと言った。 シンジはアスカのおなかに手をおいた。 ピクピクっとなにか動いた感触がした。 胎動だった。 パパ、ママ、元気に生まれるからねと赤ん坊から言われた気がしたシンジだった。

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