碇一家、葛木家訪問

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松の内も過ぎ、正月特有の賑々しい雰囲気も一段落した、ここ第三新東京市に 『葛城』と銘打たれた表札を掲げた家を前に居住まいを直す家族の姿があった 青年とその妻であろうか、妙齢の女性、それに彼らの娘と思われる幼子が 少し緊張した面持ちで立っていた その青年はすでに三十路に差しかかろうとしているが、その相貌にはいまだ少年らしさを残していた 青年の妻と思しき女性は西欧人らしく白磁のような白い肌を持ち その豊かな金色の髪を新春の爽やかな風に翻していた 彼らの間に立つ幼子は夫婦と思われる男女の特徴をよく受け継ぎ 利発そうで、それでいてどこか柔らかな雰囲気を持ち合わせていた 青年は妻と娘に目をやり、準備ができたことを確認すると玄関のチャイムに手を伸ばした ピンポーンという軽快な音が響いて、幾らかの時間が経ちインターフォンから女性の声で返事があった 「はい、葛城です」 「ミサトさん、お久しぶりです、シンジです」 「あらぁ、シンちゃん、久しぶり、今開けるわね」 ガチャという音と共にドアが開いて豪奢なまでにヴォリュームを備えた黒髪の女性が姿を見せた 「明けましておめでとう、シンちゃん、アスカ、それにミライちゃん」 「おめでとうございます」 「オメデトーゴザイマス」 「おめでとおござぁいます」 「まぁ、ミライちゃんも随分大きくなったわねぇ~、何歳になったの?」 「5さぁい」 「そう、もう5歳になるんだ  って、そうよね、前にミライちゃんに会ったのがシンちゃんとアスカが  ドイツに行く少し前で、生まれて直ぐぐらいだったから5年ぶりかしら?」 「そう…ですね、それ以来になると思います」 「5歳にしちゃ、しっかりしてるわねぇミライちゃん  そんなお利口さんには、ハイこれ、お年玉」 「ありがとーございます、ミサトおばぁちゃん!」 「おば…あ……ちゃん?って、ちょっとアスカ!あんた、ミライちゃんになんて教育してんのよ?!」 「えー、だってミサトってアタシとシンジの保護者っていうか、親代わりだったじゃない?  じゃあ、アタシ達の娘からしたらおばぁちゃんになるんじゃない?ね、シンジ」 「いや…、あの、どうかな?ミサトさんもまだ、おばぁちゃんって  呼ばれるには早いと思うんだけど……」 「なぁに言ってるんのよ、今の時代、50ぐらいのおばぁちゃんなんて珍しくないじゃない」 「ちょっとアスカ!ワタシはまだ43になったばかりよ!!!」 「別にいいじゃない、ちょっと繰り上げたって。そ・れ・に、50歳なんてすぐよ、すぐ」 「まだ7年も先の話じゃないの!それにその頃にはアスカもおばさんって呼ばれるわよ!!」 「やぁ~ねぇ、50近くにもなってそれぐらいで目くじら立てて怒るなんて」 「まだ43だっつてんでしょ!!  ちょっと、シンちゃん!奥さんにちゃんと教育してるの?!」 それまで蚊帳の外にいたシンジは突然、話を振られたことに狼狽えてしまった 「ええっ、そ、それは…」 「シンジはアタシの味方だもん、ね、シンジッ?」 「え…あ…う…」 正月早々思わぬところで嫁姑戦争を仮想体験するシンジであった

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