鉄道 (平井喜久松,岩波書店,1936年 第1刷,1949年 第7刷) > 第二編 停車場 第四章 客車操車場

鉄道』は平井喜久松さんの著書で,岩波書店から1936年(昭和11年)に第1刷が,1949年(昭和24年)に第7刷が発行されました。
このページには「第二編 停車場 第四章 客車操車場」を収録。

目次


第二編 停車場 (p. 111)

第四章 客車操車場 (p. 161)

§1. 客車操車場の意義 (p. 161)

旅客列車に対する操車場を客車操車場(coach yard, Abstellbahnhof)と言う。客車操車場は到著*1列車を受取り,これに必要なる操作を加え出発列車の組成をなす所であって,その作業としては客車の洗浄検査,掃除,修繕,寝台車の寝具の取換,食堂車の食料品の積込ならびに機関車の点検,修繕,給炭給水等。また列車によっては車輛の増結または切離等を行うものである*2

§2. 客車操車場の設置要件 (p. 161)

客車操車場はその設置に当たって次の要件を考える必要がある*3
(a)大都市の駅または終端駅の附近なる事(第180図 大阪駅に対する宮原客車操車場,第183図 上野駅に対する尾久客車操車場の如し)。
(b)駅附近に余地なき時は別に真近の所に設ける事。
(c)できるだけ地方終端駅における客車操車場の規模を大とし,大都市附近における客車操車場の負担を軽減せしむる事。

而(しか)して客車操車場の設計に当たってはできる得れば次の要件に沿うよう考慮を払うべきである*4
  1. 複線の場合にはその中に置くか,あるいは出発線の外側に設けること(第187図)。
  2. 連絡停車場および交差停車場では2つの鉄道の中間に置くこと(第173176178図)。
  3. 方向別運転の場合線路立体交差の外方に置くこと(第177図)。
  4. 2つの鉄道の頭端式停車場ではその中間に置き(第179,181,182図参照),本線の外側に置くことは稀である。

§3. 客車操車場内の設備 (p. 162)

客車操車場における配線は比較的簡単であるが少なくとも次の如き諸線群ならびに設備を必要とする(第187図)*5
  1. 到著*6
  2. 出発線
  3. 客車留置線
  4. 列車組立線
  5. 洗浄線および消毒設備
  6. 客車修繕線
  7. 機関車庫および給炭水設備

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参考文献

(著者・編者の五十音順)

書籍
  • 平井喜久松『鉄道』岩波書店,1936年5月15日 第1刷発行,1949年7月15日 第7刷発行

辞典
  • 石井忠久,他『福武漢和辞典』福武書店,1991年11月1日 発行,初版
  • 岩波書店『広辞苑』〈シャープ電子辞書 PW-9600 収録〉岩波書店,1998-2001年,第5版

(書名の五十音順)



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更新日:2010年12月10日

最終更新:2010年12月10日 07:35
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*1 ) 「到著」の読みは〔トウチャク〕。意味は「到着」と同じで「目的地に行き着く」--【到】/【到着・到著】『福武漢和辞典』p136

*2 ) 平井喜久松『鉄道』1949,p. 161

*3 ) 平井喜久松『鉄道』1949,p. 162

*4 ) 平井喜久松『鉄道』1949,p. 162

*5 ) 平井喜久松『鉄道』1949,p. 162,163

*6 ) 「到著」の読みは〔トウチャク〕。意味は「到着」と同じで「目的地に行き着く」--【到】/【到着・到著】『福武漢和辞典』p136