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あたし、原田奈緒美の通学路





高校生になってから、よく見かける人がいる。
彼はとても可愛らしい。
小さくて、くるりとした団栗眼で、小動物のように歩いている。
150センチ前後であろう小柄な彼がぱたぱたと小走りに進む姿は、とても可愛らしく微笑ましいと感じる。色素の薄い少し長めの髪が風に揺れる。彼を見ていると子犬を眺めているような気分になり、つい眼で追ってしまうのだ。
これはきっと、憧れでもあるのだろう。
あたしは年の割に長身で、背の順でも一番後ろ。加えて酷くきつめな顔立ちをしているものだから、男の子みたいねとからかわれることも多い。演劇部に入って以来男役しかやっていない。最近では『王子』『ナオ君』などと呼ばれている。もう訂正するのにも疲れたため、好きなように呼ばせているが。
以前、男子には『お前の隣に並びたくない』と言われた。きっと、自分より背の高い女子と一緒にいると何となく格好が悪いように思うのだろう。
だがしかし、あたしとて好きでここまで育った訳ではない。周りの子たちはモデル体型だと言って騒ぎ立て羨ましがるが、とんでもないことだ。彼女たちはなんて贅沢な望みを持っているのだろう。あたしはいつでも、150センチの小動物のような体形になりたいと望んでいるのに。
最後の方で話題が変わってしまったが、そんなことが割とよくあるものだから、あたしは彼に見惚れるのだろうと思う。
小柄で可愛らしい彼。
近いうちに話しかけることが出来れば、と思っている。そしてどんな生活をすることでその身長になったのかを聞き出したいと思っている。あたしと彼の生活習慣にどれ程の差があるのかは知らないが、出来る限り改善に努めようと考えている。
今日も、彼とすれ違う。
今日も可愛らしく微笑ましい。
いつも通り、彼はとても可愛らしい。



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彼がとっても気になる。