〇名称:飛行型人騎兵『ハルピュイア』


〇開発主旨

 当兵器はレムーリアにおける高高度での運用、いわゆる航空支援を目的としている。飛行装置としては増幅した浮遊魔法と風を発生させる魔法、さらに両腕の代わりに生えた可動式の翼を用いる。武装も全て詠唱戦を使用したもので、空対地攻撃用の魔法と対空用の誘導・速射性に優れた魔法をそれぞれ増幅して発射できる。
 かつてレムーリアでの緑オーマ戦(E97)において帝国の派遣した部隊は飛行するたった1体の敵に苦しめられることとなった。これは、低物理域において高高度の対象を攻撃する手段自体が非常に少ないためであった。テラ領域において対空兵器の重要さが見直され、大量に配備されつつある現在においてもこの状況は変わっていない。
 また、対空攻撃手段が少ないのは敵も同様であるとも考えられる。自分たちがやられて嫌なことは、大抵の場合、敵にとっても嫌なことである。敵編成によっては、航空兵器の存在が決定的な優位をもたらすこともあるであろう。
 上記2点から、『飛行する敵性体への迎撃が可能』であり、かつ『攻撃手段が乏しいため撃破されにくい』レムーリア用の航空兵器は有用であると判断され、当兵器の開発が行われた。


〇特徴

 当兵器の設計はその殆どが人騎兵を航空兵器とすることに費やされている。具体的にはその構成パーツの大部分が魔法の増幅装置、あるいは焦点具としての役割をしているのである。
 まず、浮遊魔法の増幅装置が背面を占拠し、推進力となる風を生じさせる装置が翼と脚部に。さらに、胴体中心と両肩には攻撃魔法用のものが装備されている。やむを得ぬ場合の近距離戦闘用に両翼先端と爪先にブレードも存在するが、基本的には詠唱戦のみで戦闘を行う。
 また、このように各部に増幅装置が詰め込まれており、かつ飛行型ゆえに機体を軽量化する必要があったため装甲は極めて薄い。が、レムーリアでは対空攻撃手段が少ないため、航空兵器として運用する限り装甲は最低限でも問題無いと判断されている。
 特徴的なのは腕の代わりに肩部伸びた両翼である。詠唱戦を主力とするのなら、わざわざ腕をつける必要は無いとの設計思想からこのような姿となっている。”ハルピュイア”という名称はこの異様ともいえる姿に由来している。浮遊魔法と風の魔法の併用という方式なら翼すら無くとも飛行は可能であるが、人型に近づける、あるいは浮遊魔法を解除してパワーダイブからの機動を想定して翼がつけられている。腕を廃止したことで翼の稼動範囲が広がり、魔法と併用することで複雑な機動が可能である。
 運用人数はパイロット1名、コパイロットが3名。ただし、機体制御および稼動の大部分に魔法が使われているため、コパイロットは詠唱が行えることが必須となっている。


〇兵装

 ・腹部長射程砲
    腹部に設けられた主砲とも言うべき兵装。主に対地攻撃に用いられる。分類   上、砲という名がつけられているがその実態は魔法増幅装置である。精密な射   撃は行うことが出来ないが、広範囲に攻撃を行うことが可能である。

 ・肩部対空砲
    両肩に設けられた兵装。その名の通り、対空迎撃を目的としている。こちら   も増幅装置である。こちらは威力よりも速射性を重視しており、航空機におけ   る機銃のように扱われる。

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最終更新:2008年05月30日 22:51