平成21年(ワ)第19716号
原告 金 光翔
被告 (株)新潮社 外2名
原告 金 光翔
被告 (株)新潮社 外2名
準備書面(6)
東京地方裁判所民事第5部合議係 御中
平成22年11月17日
被告等代理人
弁護士 岡 田 宰
同 広津佳子
同 杉本博栽
弁護士 岡 田 宰
同 広津佳子
同 杉本博栽
被告佐藤優訴訟代理人
弁護士 安 田 好 弘
弁護士 安 田 好 弘
1 本件記事が原告の名誉を何ら毀損するものでないことは、既に、被告らが提出した各証拠並びに被告らの準備書面によって明らかである。したがって、本準備書面では、主として、被告本人尋問によって明らかになった事実、すなわち、原告が『世界』編集部から校正部に異動になった経緯と理由等について言及する。
2 原告は、自ら願い出て校正部に異動になったものであって、岡本編集長が原告を持て余して異動させたのではないと主張する(訴状4頁)。
しかし、原告本人尋問の結果、
しかし、原告本人尋問の結果、
①原告は、『世界』の編集権が編集長岡本に属するものであるにもかかわらず、被告佐藤を登用するという編集方針に強く反対し続けていたばかりか、岡本が自分の意見を聞き入れてくれないことを理由に、残業を拒否し、午後4時15分ないし30分で帰宅をしていたこと(原告本人尋問調書13~14頁)
②このため、原告は編集会議にも出席せず、また編集の仕事にも従事せず、もっぱら別室で編集以外の仕事に従事していたこと(同15頁)
③加えて、原告と編集部の同僚との間で意見の対立があり、人間関係が悪化して孤立していたこと(同15~16頁)
が明らかとなった。端的に言えば、岡本編集長からすれば、原告は、『世界』編集部の秩序を乱す厄介者であったのである。
以上からすれば、岡本編集長が原告を持て余して異動させたことの方が真実であることは、疑いの余地のないところである。
3 また、原告が、自らが願い出たため異動となったと主張する点についても、
①残業を拒否した際、岡本編集長からなぜ残業できないのかと聞かれ、口頭で、既に異動が内定していた同僚の代わりに異動させてくれと言っただけであって、それ以上は言ってもいないし書面も作成していないこと(同16頁)。もっとも、原告は、岡本に対しそれ以外の機会にも異動についてやりとりをしたと述べているが、同人作成の陳述書(甲82)にはそのような記載はなく、信用できない
②しかも、原告が身代わりになることなく、同僚は内定どおり異動したにもかかわらず、原告は改めて岡本に対して異動を申し出た様子がうかがえないこと(同20頁)
③原告に対する異動の内示の告知にあたって、原告から異動願が出ていることが全く話題に出ていないこと(同20~21頁)
からすれば、原告の異動は、原告の異動願に基づかないものであることが明らかである。
4 さらに、原告は、被告佐藤が北朝鮮への武力行使の必要性を主張し、在日朝鮮人団体への弾圧の必要性を主張しているのを読んで、大変驚きかつ怒りを覚えて(甲82陳述書5頁)、『世界』が被告佐藤を起用しようという企画に対しては、被告佐藤の発言の趣旨のいくつかを挙げて、反対したと言う(同7頁)。
そうだとすると、原告にとって、被告佐藤は、反総連の人物であるということになるから、被告佐藤を起用する企画に反対するやりとりの中で、原告が意識しているか否かを問わず、聞く者をして「反総連の記事はけしからん」と受け止められる趣旨の言辞が原告から出たことも十分あり得ることである。
したがって、本件記事中の、「『反総連の記事はけしからん』(略)などと抗議をしたり」との記述にはそもそも名誉毀損性が認められないが、仮に名誉毀損性があるとしても、真実もしくは真実相当性が認められることは明白である。
以 上
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