ドルイド

ドルイド Druid

リーニ

 純粋なる元素や大自然の秩序のうちに、文明の驚異を超える力は存在する。ひそやかではあるが否定できない、これら始原の魔術は、平衡の理念に仕える者、すなわちドルイドによって守られている。獣の友にして自然の操り手、しばしば誤解されている彼ら守護者たちは、大地を脅かす全ての者への盾となって戦い、都市の城壁の中に閉じ篭る者たちに自然の力を知らしめようとする。この途方もない力への忠誠の褒章として、ドルイドは並ぶ者なき化身の能力、強力な動物の相棒との絆、大自然の怒りを呼びおこす魔力を手に入れる。彼らは、嵐や地震、火山にも似た恐るべき激情と、文明によって捨て去られ忘れ去られた原始の叡智を備えている。

 役割:あるドルイドは戦場の周縁にとどまって相棒と招来したクリーチャーに戦闘を任せ、またある者は自然の力によって敵を混乱させ、また他の者は恐るべき野獣に化身して猛然と戦闘の只中へ飛び込んでいく。ドルイドは元素の威力、自然の諸力、または自然そのものの具現を崇拝する。典型的にはこれは自然の神格への傾倒を意味するが、ドルイドは同様に茫漠たる精霊や動物めいた半神、荘厳な自然の驚異を崇敬しているかもしれない。

 属性:いずれかの中立。

 ヒット・ダイスの種類:d8。

クラス技能

 ドルイドのクラス技能は、以下の通り:〈騎乗〉【敏】、〈呪文学〉【知】、〈職能〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈生存〉【判】、〈知覚〉【判】、〈知識:自然〉【知】、〈知識:地理〉【知】、〈治療〉【判】、〈登攀〉【筋】、〈動物使い〉【魅】、〈飛行〉【敏】。

レベルごとの技能ランク:4+【知力】修正値。

表:ドルイド
レベル 基本攻撃
ボーナス
頑健
セーヴ
反応
セーヴ
意志
セーヴ
特殊 1日の呪文数
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 +0 +2 +0 +2 自然との絆自然感覚祈り野生動物との共感 3 1
2 +1 +3 +0 +3 森渡り 4 2
3 +2 +3 +1 +3 跡無き足取り 4 2 1
4 +3 +4 +1 +4 自然の誘惑への抵抗力自然の化身(1回/日) 4 3 2
5 +3 +4 +1 +4   4 3 2 1
6 +4 +5 +2 +5 自然の化身(2回/日) 4 3 3 2
7 +5 +5 +2 +5   4 4 3 2 1
8 +6/+1 +6 +2 +6 自然の化身(3回/日) 4 4 3 3 2
9 +6/+1 +6 +3 +6 毒への耐性 4 4 4 3 2 1
10 +7/+2 +7 +3 +7 自然の化身(4回/日) 4 4 4 3 3 2
11 +8/+3 +7 +3 +7   4 4 4 4 3 2 1
12 +9/+4 +8 +4 +8 自然の化身(5回/日) 4 4 4 4 3 3 2
13 +9/+4 +8 +4 +8 千の顔 4 4 4 4 4 3 2 1
14 +10/+5 +9 +4 +9 自然の化身(6回/日) 4 4 4 4 4 3 3 2
15 +11/+6/+1 +9 +5 +9 時知らずの肉体 4 4 4 4 4 4 3 2 1
16 +12/+7/+2 +10 +5 +10 自然の化身(7回/日) 4 4 4 4 4 4 3 3 2
17 +12/+7/+2 +10 +5 +10   4 4 4 4 4 4 4 3 2 1
18 +13/+8/+3 +11 +6 +11 自然の化身(8回/日) 4 4 4 4 4 4 4 3 3 2
19 +14/+9/+4 +11 +6 +11   4 4 4 4 4 4 4 4 3 3
20 +15/+10/+5 +12 +6 +12 自然の化身(回数無制限) 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4

クラスの特徴

 ドルイドのクラスの特徴は以下の通り。

 武器と防具の習熟:ドルイドは以下の武器に習熟している:クオータースタッフ、クラブ、サイズ、シックル、シミター、ショートスピア、スピア、スリング、ダーツ、ダガー。またドルイドは自然の化身(後述)形態時にもつ全ての肉体武器(爪、噛みつきなど)に習熟している。

 ドルイドは軽装鎧と中装鎧に習熟しているが、金属製の鎧の着用は禁じられている。つまり、彼らはパデッド、レザー、ハイド・アーマーしか着ることができないということである。またドルイドはアイアンウッド呪文により鋼鉄と同じ機能を持つように変化させた木製の鎧も着用できる。ドルイドは盾(タワー・シールドを除く)に習熟しているが、木製のものしか使えない。

 禁止された鎧を着用したり、禁止された盾を使用したりしたドルイドは、着用/使用中および着用/使用後24時間、ドルイド呪文の使用ができなくなり、ドルイドのクラス能力のうち超常能力や擬似呪文能力を一切使用できなくなる。

 呪文/Spells:ドルイドの発動する呪文は信仰呪文であり、ドルイド用呪文リストから選択する。ドルイドの属性によっては、道徳的または規律的信条に反するという理由から、ある種の呪文の発動に制限が加わることがある。詳しくは後述の『秩序と混沌、善と悪の呪文』を参照。ドルイドは事前に呪文を選択して準備しておかなければならない。

 呪文を準備または発動するには、ドルイドは最低でも10+その呪文レベルに等しい【判断力】能力値を有していなければならない。ドルイドの呪文に対するセーヴィング・スローの難易度は10+呪文レベル+ドルイドの【判断力】修正値である。

 他の呪文の使い手と同様、ドルイドは各呪文レベルの呪文を、1日に一定の回数ずつしか発動できない。1日に発動できる呪文の数の基本値は、表『ドルイド』の“1日の呪文数”の項に記されている。高い【判断力】能力値を持つならば、ドルイドは1日の呪文数にボーナス呪文数を加えることができる(表『能力値修正とボーナス呪文数』参照)。

 ドルイドが1日の呪文数を回復するためには、毎日1時間かけて自然の神秘についてトランス状態的な瞑想をしなければならない。ドルイドは自分の発動できる呪文レベルの呪文ならば、ドルイド呪文リストの中からどれでも好きなものを準備し、発動することができる。ただし、準備する呪文の選択は、毎日の瞑想時間中に行わなければならない。

 任意発動/Spontaneous Casting:ドルイドは、蓄積した呪文のエネルギーを、事前に準備していたのと違う招来呪文として流用することができる。ドルイドは準備した呪文から好きなものを選んで“失う”代わりに、その呪文レベル以下の好きなサモン・ネイチャーズ・アライ系呪文を発動できる。

 混沌と秩序、善と悪の呪文:ドルイドは自分自身、または仕える神格(いれば)の属性に反する呪文を発動することはできない。呪文が特定の属性に関係しているかどうかは、呪文の解説に[秩序]、[混沌]、[善]、[悪]の補足説明として示されている。

 祈り/Orisons:ドルイドは毎日いくつかの「祈り」すなわち0レベル呪文を、表『ドルイド』の1日の呪文数に従って準備できる。祈りは他の呪文と同じように発動できるが、発動しても消費されることはなく、何度でも使うことができる。

 ボーナス言語/Bonus Languages:ドルイドはボーナス言語として、森に住むクリーチャーの言語である森語を選択できる。これは、キャラクターの種族によるボーナス言語の選択肢に追加されるものである。

 またドルイドは、1レベルのドルイドになった時点で、ドルイドのみが知る秘密言語であるドルイド語を修得する。ドルイド語はドルイドの自動修得言語である。つまり彼らはドルイド語を、通常の自動修得言語に加えて、ボーナス言語のスロットを消費することなく修得できるということだ。ドルイドがこの言語をドルイドでない者に教えることは禁じられている。

 ドルイド語は独自の文字を持つ。

 自然との絆(変則)/Nature Bond:クラス・レベル1の時点で、ドルイドは自然との間に絆を結ぶ。この絆は次の2つのオプションのうちから1つを選ぶ。1つ目は自然界との密接な絆であり、それによりドルイドは、以下に示すクレリックの領域から1つを選択することができる:植物天候動物。領域によって得られるパワーとボーナス呪文を決定する際の有効クレリック・レベルはドルイド・レベルに等しい。また、このオプションを選択したドルイドは、クレリックと同様に追加の領域呪文スロットを獲得する。このスロットには自分の領域の呪文を準備しなければならず、また任意発動に利用することはできない。

 2つ目のオプションは動物の相棒との絆である。ドルイドは『動物の選択』のリストから選択した、1体の動物の相棒とともにゲームを開始する。これらの動物はその種類に応じてドルイドの冒険に同行する忠実な相棒である。

 通常のその種の動物と異なり、ドルイドのクラス・レベルが上昇するにつれて、動物の相棒のヒット・ダイス、能力、技能、特技も向上していく。複数のクラスから動物の相棒を得ている場合、相棒の能力を決定する際に、有効ドルイド・レベルは累積する。ほとんどの動物の相棒は、その種類により、ドルイドのクラス・レベル4または7に達した時点でサイズが大きくなる。ドルイドは自分の相棒を役目から解放し、新たな相棒1体を獲得しても構わない。そのためには、中断されることなく24時間連続で祈りをささげる儀式を行わなければならない。 この儀式は、死亡した動物の相棒の代わりを得る場合にも行う。

 自然感覚(変則)/Nature Sense:ドルイドは〈生存〉〈知識:自然〉の判定に+2のボーナスを得る。

 野生動物との共感(変則)/Wild Empathy:ドルイドは動物の“態度”を向上させることができる。この能力はNPCの態度を向上させるための〈交渉〉判定と同様に機能する(技能の章を参照)。ドルイドは1d20をロールし、ドルイド・レベルと【魅力】修正値を加える。これが野生動物との共感判定の結果である。最初の態度は、通常の家畜の場合“中立的”、野生動物はたいてい“非友好的”である。

 野生動物との共感を使うためには、ドルイドと動物が互いを観察できる状態になければならない。これは通常の状況下では互いに30フィート以内になければならないという意味である。通例として、この方法で動物の態度に影響を与えようとすることは、人物に影響を与える場合と同様、1分間かかる。しかし状況によっては長くかかることも短くてすむこともある。

 ドルイドはこの能力を【知力】能力値が1か2の魔獣に対しても使用できるが、その場合、判定に-4のペナルティが課される。

 森渡り(変則)/Woodland Stride:クラス・レベル2以降、ドルイドはどんな藪(自然のイバラや野バラの茂み、植物の生い茂った範囲や類似の地形)の中でも、通常の速度で、ダメージやその他の不利益を被ることなく移動できる。

 ただし、動きを妨げるために魔法的に操作されているイバラや野バラの茂み、植物の生い茂った範囲の作用は受ける。

 跡無き足取り(変則)/Trackless Step:クラス・レベル3以降、ドルイドは自然環境に痕跡を残さなくなるため、彼らを追跡することは不可能になる。ドルイドは望むなら痕跡を残すこともできる。

 自然の誘惑への抵抗力(変則)/Resist Nature's Lure:クラス・レベル4以降、ドルイドはフェイの擬似呪文能力と超常能力に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。このボーナスは植物を利用しあるいは目標とする呪文や効果-例えばブライトエンタングルスパイク・グロウスウォープ・ウッド-にも適用される。

 自然の化身(超常)/Wild Shape:クラス・レベル4に達したドルイドは1日1回、自身をどんな小型または中型サイズの動物にでも変身させ、また元の姿に戻ることができる。新たな形態に選べるのは、種別が“動物”のクリーチャー全てである。この能力は、本稿に記した差異を除き、ビースト・シェイプI呪文と同様に機能する。この効果はドルイド・レベル毎に1時間、または元の姿に戻るまで持続する。形態の変更(動物に変身、または元の姿に戻る)は1回の標準アクションであり、機会攻撃を誘発しない。変身する形態は、ドルイドに馴染みのある動物でなければならない。

 動物形態を取っている間、ドルイドは会話能力を失ってしまう。動物形態の時には調教を受けていない普通の動物の同じ声しか出せなくなるからだ(普通、野生のオウムはガーガー鳴くだけである。よって、オウムに変身しても会話が可能になるわけではない)。しかし、ドルイドはとっている動物形態と大まかな分類上で同じ種類のほかの動物たちとは意思疎通することができる。

 ドルイドが1日にこの能力を使用できる回数は、6レベル以降2レベル毎に増加し、18レベルで8回に達する。クラス・レベル20に達したドルイドは、回数無制限で“自然の化身”能力を使用できるようになる。ドルイドのレベルが上昇するにつれ、より大きな動物、より小さな植物、エレメンタル、植物の形態をとることができるようになる。いずれの形態をとるにせよ、この能力の1回分の使用回数を消費する。

 クラス・レベル6の時点で、ドルイドは大型または超小型サイズの動物、小型サイズのエレメンタルに変身できるようになる。動物の形態をとる時は、この能力はビースト・シェイプII呪文と同様に機能する。エレメンタルの形態をとる時は、この能力はエレメンタル・ボディI呪文と同様に機能する。

 クラス・レベル8の時点で、ドルイドは超大型または微小サイズの動物、中型サイズのエレメンタル、小型または中型サイズの植物クリーチャーに変身できるようになる。動物の形態をとる時は、この能力はビースト・シェイプIII呪文と同様に機能する。エレメンタルの形態をとる時は、この能力はエレメンタル・ボディII呪文と同様に機能する。植物クリーチャーの形態をとる時は、この能力はプラント・シェイプI呪文と同様に機能する。

 クラス・レベル10の時点で、ドルイドは大型サイズのエレメンタル、大型サイズの植物クリーチャーに変身できるようになる。エレメンタルの形態をとる時は、この能力はエレメンタル・ボディIII呪文と同様に機能する。植物クリーチャーの形態をとる時は、この能力はプラント・シェイプII呪文と同様に機能する。

 クラス・レベル12の時点で、ドルイドは超大型サイズのエレメンタル、超大型サイズの植物クリーチャーに変身できるようになる。エレメンタルの形態をとる時は、この能力はエレメンタル・ボディIV呪文と同様に機能する。植物クリーチャーの形態をとる時は、この能力はプラント・シェイプIII呪文と同様に機能する。

 毒への耐性(変則)/Venom Immunity:クラス・レベル9の時点で、ドルイドは全ての毒に対する完全耐性を得る。

 千の顔(超常)/A Thousand Faces:クラス・レベル13に達したドルイドはオルター・セルフ呪文を使用したかのように回数無制限で自分の姿を変えることができる。ただし、この能力は本来の形態の時にしか使用することはできない。

 時知らずの肉体(変則)/Timeless Body:クラス・レベル15に達したドルイドは、年齢効果による能力値のペナルティを受けなくなり、魔法的に加齢されることもなくなる。しかしながら、このレベルに達した時点ですでに受けているペナルティは、そのまま残る。年齢効果によるボーナスは得ることができるし、ドルイドといえども寿命が尽きれば老衰死する。

元ドルイドEx-Druids

 自然への崇敬を失ったり、禁止された属性に変化したり、ドルイド語をドルイドでない者に教えたりした者は、全ての呪文とドルイドの能力を失う(動物の相棒も含むが、武器、鎧、盾への習熟は除く)。以後、彼は贖罪を行うまで、ドルイドとしてのクラス・レベルを得ることができなくなる(アトーンメント呪文の解説を参照)。

動物の相棒Animal Companions

 動物の相棒の能力はドルイド・レベルとその動物の種族特性によって決まる。表:動物の相棒の基本能力に動物の相棒の基本能力の多くが示されている。呪文が動物の相棒に効力があるかを決定する際、相棒のクリーチャー種別は動物のままである。

表:動物の相棒の基本能力
クラス・レベル ヒット・ダイス 基本攻撃ボーナス 頑健 反応 意志 技能 特技 外皮ボーナス 【筋】/【敏】ボーナス ボーナス芸数 特殊
1 2 +1 +3 +3 +0 2 1 +0 +0 1 リンク、呪文共有
2 3 +2 +3 +3 +1 3 2 +0 +0 1
3 3 +2 +3 +3 +1 3 2 +2 +1 2 身かわし
4 4 +3 +4 +4 +1 4 2 +2 +1 2 能力値上昇
5 5 +3 +4 +4 +1 5 3 +2 +1 2
6 6 +4 +5 +5 +2 6 3 +4 +2 3 忠誠
7 6 +4 +5 +5 +2 6 3 +4 +2 3
8 7 +5 +5 +5 +2 7 4 +4 +2 3
9 8 +6 +6 +6 +2 8 4 +6 +3 4 能力値上昇、《複数回攻撃》
10 9 +6 +6 +6 +3 9 5 +6 +3 4
11 9 +6 +6 +6 +3 9 5 +6 +3 4
12 10 +7 +7 +7 +3 10 5 +8 +4 5
13 11 +8 +7 +7 +3 11 6 +8 +4 5
14 12 +9 +8 +8 +4 12 6 +8 +4 5 能力値上昇
15 12 +9 +8 +8 +4 12 6 +10 +5 6 身かわし強化
16 13 +9 +8 +8 +4 13 7 +10 +5 6
17 14 +10 +9 +9 +4 14 7 +10 +5 6
18 15 +11 +9 +9 +5 15 8 +12 +6 7
19 15 +11 +9 +9 +5 15 8 +12 +6 7
20 16 +12 +10 +10 +5 16 8 +12 +6 7 能力値上昇

 クラス・レベル: これはキャラクターのドルイド・レベルである。相棒の能力を決定する際に、ドルイドのクラス・レベルは他の動物の相棒を得るクラスのクラス・レベルと累積する。

 ヒット・ダイス:これは動物の相棒がもつ8面体(d8)ヒット・ダイスの総計であり、それぞれに通常通り【耐久力】修正値が加わる。

 基本攻撃ボーナス:これは動物の相棒の基本攻撃ボーナスである。動物の相棒の基本攻撃ボーナスは、動物のHDに等しいレベルのドルイドと同じである。動物の相棒は、基本攻撃ボーナスが高くなっていっても、自分の肉体武器を使用する際に追加攻撃を得られない。

 頑健/反応/意志:これらは動物の相棒の基本セーヴ・ボーナスである。動物の相棒は“良好”な頑健セーヴと反応セーヴを持つ。

 技能:この表は動物の技能ランクの総計である。動物の相棒は、動物の技能に列記されている技能にランクを割り振ることができる。動物の相棒の【知力】が10以上に上昇した場合、通常通りボーナス技能ランクを獲得する。3以上の【知力】を有する動物の相棒は全ての技能のランクを修得できる。動物の相棒の技能ランクは自分のHDを越えることはできない。

 特技:これは動物の相棒が修得できる特技の総数である。動物の相棒は動物の特技に列記されている特技から選択するべきである。動物の相棒は、他の特技も修得することができるが、いくつか利用できない特技(たとえば《軍用武器習熟》)もある。動物の相棒は、+1以上の基本攻撃ボーナスを前提とする特技は、3HDになり2つ目の特技を修得する時になるまで選択できないことに注意。

 外皮ボーナス:動物の相棒がすでに有している外皮ボーナスが、ここに示した値だけ増加する。

 【筋】/【敏】ボーナス:動物の相棒の【筋力】と【敏捷力】に、この値を加える。

 ボーナス芸数/Bonus Tricks:この欄の値は、動物の相棒がドルイドに仕込まれて憶えるかもしれない芸(〈動物使い〉技能を参照)に加えて“ボーナス”として知っている芸の数である。このボーナス芸は、訓練時間や〈動物使い〉判定なしで修得でき、その動物が通常憶えることができる芸数の制限に数えない。どの芸をボーナス芸として憶えるかはドルイドが選択するが、一度選択したら変えることはできない。

 特殊:動物の相棒は力を増すにしたがって、いくつかの能力を獲得していく。それぞれの内容については以下のとおり。

 呪文共有(変則)/Share Spells:ドルイドは目標が“自身”の呪文を、自分の動物の相棒に対して(距離が“接触”の呪文として)発動することができる。ドルイドは自分の動物の相棒に対して、呪文が通常は相棒のクリーチャー種別(動物)に作用しないものであっても発動することができる。このように発動できるのは、動物の相棒を得るクラスとして発動する呪文のみである。この能力は、呪文以外の能力(たとえそれが呪文に類似した機能を持つものであっても)には影響しない。

 身かわし(変則)/Evasion:普通なら反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃の対象となった場合、動物の相棒はセーヴィング・スローに成功すればダメージを全く受けずにすむ。

 能力値上昇(変則)/Ability Score Increase:動物の相棒の能力値のいずれかに+1を加える。

 忠誠(変則)/Devotion:動物の相棒は心術呪文や効果に対する基本セーヴに+4の士気ボーナスを得る。

 《複数回攻撃》/Multiattack: 3回以上の肉体攻撃を持つ動物の相棒は、まだ修得していなければ、ボーナス特技として《複数回攻撃》を得る。特技の前提条件である3回以上の肉体攻撃を持たない動物の相棒は、代わりに-5のペナルティをつけて、主要肉体武器で2回目の攻撃を行うことができるようになる。

 身かわし強化(変則)/Improved Evasion:普通なら反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃の対象となった場合、動物の相棒はセーヴィング・スローに成功すればダメージを全く受けずにすみ、たとえセーヴィング・スローに失敗してもダメージを半減させることができる。

動物の技能Animal Skills

 動物の相棒は以下の技能のランクを取ることができる:〈威圧〉【魅】、〈隠密〉*【敏】、〈軽業〉*【敏】、〈水泳〉*【筋】、〈生存〉【判】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉*【判】、〈登攀〉*【筋】、〈飛行〉*【敏】。(*)のついている技能は動物の相棒のクラス技能である。3以上の【知力】を有する動物の相棒はどんな技能でもとることができる。

動物の特技Animal Feats

 動物の相棒は以下の特技を選択することができる:《一撃離脱》《イニシアチブ強化》《運動能力》《忍びの技》《回避》《外皮強化》《軽業師》《頑健無比》《技能熟練》《強行突破》《強打》《蹴散らし強化》《持久力》《疾走》《神速の反応》《軽妙なる戦術》《追加hp》《突き飛ばし強化》《肉体攻撃強化》《鋼の意志》《不屈の闘志》《武器熟練》《武器の妙技》《迎え討ち》《無視界戦闘》《鎧習熟:軽装》《鎧習熟:中装》《鎧習熟:重装》《腕力による威圧》。3以上の【知力】を有する動物の相棒は、肉体的に利用することが可能ならば、どんな特技でも選択することができる。GMは他のソースに掲載されている特技を選択することを許可してもよい。

動物の選択Animal Choices

 動物の相棒は種類ごとに異なるサイズ、移動速度、攻撃、能力値、特殊能力を持つ。全ての動物の攻撃は、別記がない限りクリーチャーの最大の基本攻撃ボーナスを使って行う。動物の攻撃は、ダメージ・ロールに動物の【筋力】修正値を加えるが、動物が1種類の攻撃しか持たない場合は【筋力】修正値の1.5倍を加える。一部は鋭敏嗅覚のような特殊能力を持つ。これらの詳細については特殊能力の章を参照。 通常クラス・レベル4または7の時点で、表「動物の相棒の基本能力」に記された通常の成長に加え、動物の相棒は大きく成長する。下記のリストに上げられたレベル4または7の利益を受ける代わりに、動物の相棒の【敏捷力】と【耐久力】を2ずつ増加させることもできる。

ウルフWolf

 初期能力:サイズ中型;移動速度50フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d6および足払い);能力値【筋】13、【敏】15、【耐】15、【知】2、【判】12、【魅】6;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 7レベルでの成長:サイズ大型;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d8および足払い);能力値【筋】+8、【敏】-2、【耐】+4。

エイプApe

 初期能力:サイズ中型;移動速度30フィート、登攀30フィート;AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d4)、爪(×2)(1d4);能力値【筋】13、【敏】17、【耐】10、【知】2、【判】12、【魅】7;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ大型;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d6)、爪(×2)(1d6);能力値【筋】+8、【敏】-2【耐】、+4。

キャット:スモール・キャット(チーター、レパード)Cat, Small (Cheetah, Leopard)

 初期能力:サイズ小型;移動速度50フィート;AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d4および足払い)、爪(×2)(1d2);能力値【筋】12、【敏】21、【耐】13、【知】2、【判】12、【魅】6;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d6および足払い)、爪(×2)(1d3);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2;特殊能力瞬発力。

キャット:ビッグ・キャット(ライオン、タイガー)Cat, Big (Lion, Tiger)

 初期能力:サイズ中型;移動速度40フィート;AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d6)、爪(×2)(1d4);能力値【筋】13、【敏】17、【耐】13、【知】2、【判】15、【魅】10;特殊攻撃引っかき(1d4);特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 7レベルでの成長:サイズ大型;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d8)、爪(×2)(1d6);能力値【筋】+8、【敏】-2、【耐】+4;特殊攻撃つかみ飛びかかり引っかき(1d6)。

キャメルCamel

 初期能力:サイズ大型;移動速度50フィート;AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d4)または唾(遠隔接触攻撃、目標は1d4ラウンドの間不調状態、距離10フィート);能力値【筋】18、【敏】16、【耐】14、【知】2、【判】11、【魅】4;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:能力値【筋】+2、【耐】+2。

クロコダイル(アリゲーター)Crocodile (Alligator)

 初期能力:サイズ小型;移動速度20フィート、水泳30フィート;AC+4外皮;攻撃噛みつき(1d6);能力値【筋】15、【敏】14、【耐】15、【知】1、【判】12、【魅】2;特殊能力息こらえ、夜目

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d8)または尾の打撃(1d12);能力値 【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2;特殊攻撃死の大回転、つかみ、瞬発力。

シャークShark

 初期能力:サイズ小型;移動速度水泳60フィート;AC+4外皮;攻撃噛みつき(1d4);能力値【筋】13、【敏】15、【耐】15、【知】1、【判】12、【魅】2;特殊能力鋭敏嗅覚夜目

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d6);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2;特殊能力非視覚的感知

スネーク:ヴァイパー・スネークSnake ,Viper

 初期能力:サイズ小型;移動速度20フィート、登攀20フィート、水泳20フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d3および毒);能力値【筋】8、【敏】17、【耐】11、【知】1、【判】12、【魅】2;特殊攻撃毒(頻度1/ラウンド(6ラウンド)、効果1【耐久力】、治癒1回、セーヴDCの算出には【耐久力】を用いる);特殊能力鋭敏嗅覚夜目

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d4および毒);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2。

スネーク:コンストリクター・スネークSnake ,Constrictor

 初期能力:サイズ中型;移動速度20フィート、登攀20フィート、水泳20フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d3);能力値【筋】15、【敏】17、【耐】13、【知】1、【判】12、【魅】2;特殊攻撃つかみ;特殊能力鋭敏嗅覚夜目

 4レベルでの成長:サイズ大型;AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d4);能力値【筋】+8、【敏】-2、【耐】+4;特殊攻撃締めつけ(1d4)。

ディノサウルス(ディノニクス、ヴェロキラプトル)Dinosaur (Deinonychus, Velociraptor)

 初期能力:サイズ小型;移動速度60フィート;AC+1外皮;攻撃鉤爪(×2)(1d6)、噛みつき(1d4);能力値【筋】11、【敏】17、【耐】17、【知】2、【判】12、【魅】14;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 7レベルでの成長:サイズ中型;AC+2外皮;攻撃鉤爪(×2)(1d8)、噛みつき(1d6)、爪(×2)(1d4);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2;特殊攻撃飛びかかり

ドッグDog

 初期能力:サイズ小型;移動速度40フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d4);能力値【筋】13、【敏】17、【耐】15、【知】2、【判】12、【魅】6;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d6);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2。

バジャー(ウルヴァリン)Badger (Wolverine)

 初期能力:サイズ小型;移動速度30フィート、穴掘り10フィート、登攀10フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d4)、爪(×2)(1d3);能力値【筋】10、【敏】17、【耐】15、【知】2、【判】12、【魅】10;特殊攻撃激怒(バーバリアンと同様。1日6ラウンド);特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d6)、爪(×2)(1d4);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2。

ベアBear

 初期能力:サイズ小型;移動速度40フィート;AC+2外皮;攻撃噛みつき(1d4)、爪(×2)(1d3);能力値【筋】15、【敏】15、【耐】13、【知】2、【判】12、【魅】6;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃噛みつき(1d6)、爪(×2)(1d4);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2。

バード(アウル/イーグル/ホーク)Bird (Eagle, Hawk, Owl)

 初期能力:サイズ小型;移動速度10フィート、飛行80フィート(標準);AC+1外皮;攻撃噛みつき(1d4)、鉤爪(×2)(1d4);能力値【筋】10、【敏】15、【耐】12、【知】2、【判】14、【魅】6;特殊能力夜目

 4レベルでの成長:能力値【筋】+2、【耐】+2。

ボアBoar

 初期能力:サイズ小型;移動速度40フィート;AC+6外皮;攻撃突き刺し(1d6);能力値【筋】13、【敏】12、【耐】15、【知】2、【判】13、【魅】4;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:サイズ中型;攻撃突き刺し(1d8);能力値【筋】+4、【敏】-2、【耐】+2;特殊攻撃 凶暴性

ホースHorse

 初期能力:サイズ大型;移動速度50フィート;AC+4外皮;攻撃噛みつき(1d4)、蹄*(×2)(1d6);能力値【筋】16、【敏】13、【耐】15、【知】2、【判】12、【魅】6;特殊能力夜目鋭敏嗅覚。 *これは二次的肉体攻撃である。二次的攻撃については『戦闘』を参照。

 4レベルでの成長:能力値【筋】+2、【耐】+2;特殊能力 戦闘騎乗(〈動物使い〉技能参照)。

ポニーPony

 初期能力:サイズ中型;移動速度40フィート;AC+2外皮;攻撃蹄(×2)(1d3);能力値【筋】13、【敏】13、【耐】12、【知】2、【判】11、【魅】4;特殊能力夜目鋭敏嗅覚

 4レベルでの成長:能力値【筋】+2、【耐】+2;特殊能力 戦闘騎乗。

編注:追加された動物の相棒

 Bestiaryで追加された動物の相棒

 アンキロサウルスオーロックスバイソンブラキオサウルスダイア・バットダイア・ラットドルフィンエラスモサウルスエレクトリック・イールエレファントフロッグジャイアント・モーライ・イールゴブリン・ドッグハイエナモニター・リザードオクトパスオルカプテラノドンライナセラスルフスクウィッドステゴサウルストリケラトプスティラノサウルス

 Bestiary2で追加された動物の相棒

 アロサウルスアルシノイテリウムガーグリプトドンスティングレイジャイアント・スナッピング・タートルティロサウルスバブーンパラサウロロフスヒポポタマスマンタレイメガテリウムメガロセロスラム

 Ultimate Magicで追加された蟲の相棒

 ジャイアント・アントジャイアント・ビートルジャイアント・センチピードジャイアント・クラブジャイアント・リーチジャイアント・マンティスジャイアント・スコーピオンジャイアント・スラグジャイアント・スパイダージャイアント・ワスプ

最終更新:2021年01月27日 22:30
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