第壱拾壱話 最後
真名は最後の勝負に出た。
「楓」を傷つけた悪魔を、消すために。
そして、クーとの約束を守る為、でもあった。
『ちゃんと護るアルよ…楓を』
いつの日か、クーに相談した日。
本当に小さな声だったが、真名にはしっかりと聞こえていた。
クーの言葉が、真名の背中を力強く押してくれた。
そして、刹那。
刹那は、仕事人である私に、とても重要な事を教えてくれた。
『自分の大切な人が狙われているのなら、その人を護ろうとは思わないのか』
思っていた。でも、私は仕事人だから。
そう自分に言い聞かせて、私は逃げてばかりいた。
でも、刹那がそう言ってくれたから。
私は、逃げなかった。
「楓を…、護るために!!!」
無意識に、そう叫んでいた。身体もそれに反応する。
身体がスッと軽くなり、一気に悪魔に詰め寄る。
「…なっ、はやい…!!」
悪魔の瞳に映る真名の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
それは、一ヶ月以上前に流した、あの時のような弱い涙ではなくて。
ひとつは、後悔。
――私がもっと強ければ、楓は…――
ひとつは、覚悟。
――楓の想いを、護りきってみせる!!!――
もうひとつは…
――あの悪魔を…、倒す!!――
とても強い、真名の決意だった。
自分の愛銃を懐から取り出す。
対魔の術が込められている弾丸が入れてある。
それを、悪魔に向かって、一気に、確実に撃っていった。
(昨日は楓を護れなかったが…)
「あっ…あああああああああああ!!!!」
(今日は、ちゃんと楓の想いを、護れたよな、護りきれたよな…?)
弾丸は、全て悪魔に命中した。
これも、楓に対する真名の思いの力、なのだろうか…。
「ぐっ…あああああああああああああああああ!!!!!!」
悪魔の叫びが耳に響く。
そして…
「龍宮!!!?」
悪魔の叫びが聞こえなくなり、刹那の声が聞こえたと思うと、真名の意識はそこで途切れてしまった。
つづく>>最期
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