連載 - 首塚-58
人が溢れ出した境内
これだけの人波、飲み込まれたら一瞬で逸れてしまいかねない
Tさんと契約者は、人波に飲み込まれないよう、そっと人気の少ない方へと行こうとして
これだけの人波、飲み込まれたら一瞬で逸れてしまいかねない
Tさんと契約者は、人波に飲み込まれないよう、そっと人気の少ない方へと行こうとして
ぽふんっ
「っと」
「あ、すみません」
「あ、すみません」
人を避けるのに精一杯だったのだが、避けきれずに一人、真正面からぶつかってしまった契約者
むぎゅー、とコートの下からリカちゃんの悲鳴が小さく響く
結構いい勢いでぶつかってしまい転びそうになったところを、Tさんに支えてもらった
むぎゅー、とコートの下からリカちゃんの悲鳴が小さく響く
結構いい勢いでぶつかってしまい転びそうになったところを、Tさんに支えてもらった
「いいのよ。それより、大丈夫かい?」
ぶつかってしまった女性が、むしろ、Tさんの契約者を気遣うようにそう声をかけてきた
…見た感じ、30代後半から40代前半程度と思われる…ようは、アラフォー世代の女性だ
が、その服装は20代の女性がしていそうなものであり、若干、年齢的に無理を感じなくもないのだが、その女性はその違和感をある程度は薄める程度に若く見えなくもない
そんな服装ではあるのだが…気のせいか、どこか、姉御的な雰囲気を感じるような、そんな女性だった
…見た感じ、30代後半から40代前半程度と思われる…ようは、アラフォー世代の女性だ
が、その服装は20代の女性がしていそうなものであり、若干、年齢的に無理を感じなくもないのだが、その女性はその違和感をある程度は薄める程度に若く見えなくもない
そんな服装ではあるのだが…気のせいか、どこか、姉御的な雰囲気を感じるような、そんな女性だった
「あ、あぁ、大丈夫です」
「そうかい。それなら良かった」
「そうかい。それなら良かった」
ほっとしたように女性は笑っている
からからと笑っている様子は、少し豪快でもある
からからと笑っている様子は、少し豪快でもある
「…おや、あんた達は、初詣にきたんじゃないのかい?」
「いや、そうだが。既にお参りはすませている」
「いや、そうだが。既にお参りはすませている」
人波に逆らうように出てきたTさん達を不思議がったのか、何気なく女性が尋ねてきたが、Tさんがすぐにそれに答える
なるほどねぇ、と女性は納得したような様子だった
なるほどねぇ、と女性は納得したような様子だった
「あなたも、初詣に来たのでは?」
そのわりには、女性は人波に入ろうともしていない
初詣のお参りにきた、にしては少し妙だった
むしろ、目の前の人波を観察しているかのような様子
それに夢中で、Tさんの契約者を避けられたなかったような、そんな感じがして
何気なく、Tさんはそう尋ねた
すると、女性は隠す様子もなく、笑って答える
初詣のお参りにきた、にしては少し妙だった
むしろ、目の前の人波を観察しているかのような様子
それに夢中で、Tさんの契約者を避けられたなかったような、そんな感じがして
何気なく、Tさんはそう尋ねた
すると、女性は隠す様子もなく、笑って答える
「いや、ちょっと、人探しをねぇ」
「人探し?」
「あぁ。初詣ともなれば、街中から人が来るだろう?だから、ここにいれば、探している奴が来るんじゃないか、って思ってねぇ」
「…だが、そうだとしても、ここで人探しは難しいと思うぞ」
「人探し?」
「あぁ。初詣ともなれば、街中から人が来るだろう?だから、ここにいれば、探している奴が来るんじゃないか、って思ってねぇ」
「…だが、そうだとしても、ここで人探しは難しいと思うぞ」
確かに、探し人が現れる可能性はあるだろう
しかし、これだけの人の中から、その人物を探すのは難しそうだ
そうみたいだね、と女性も肩をすくめる
しかし、これだけの人の中から、その人物を探すのは難しそうだ
そうみたいだね、と女性も肩をすくめる
「まぁ、駄目元だから、寒さに我慢できなくなったら帰るつもりだけどね」
「そっか…大変だな」
「そっか…大変だな」
Tさんの契約者の言葉に、そうでもないさ、と女性は笑う
そして…そうだ、と言うように、二人に尋ねてくる
そして…そうだ、と言うように、二人に尋ねてくる
「あんた達、金髪で、こんな真冬でも日焼けサロンにでも通ってるみたいに日焼けした男を知らないかい?そっちのお兄さんくらいの年齢なんだけど」
「え…」
「え…」
それは、もしかして
二人とリカちゃんの脳裏に、ある人物が浮かんで
だが、しかし
二人とリカちゃんの脳裏に、ある人物が浮かんで
だが、しかし
「翼、って名前なんだけどねぇ」
「「いや、知らない」」
「「いや、知らない」」
二人の言葉が、被った
そうかい、と女性は笑う
そうかい、と女性は笑う
「お力になれず申し訳ない」
「いいんだよ。気にしないで」
「いいんだよ。気にしないで」
それじゃあ、とその女性とは別れる
人波に視線をやっている女性を遠巻きに見ながら…ふと、コートの下から、リカちゃんが小さく声をかけてくる
人波に視線をやっている女性を遠巻きに見ながら…ふと、コートの下から、リカちゃんが小さく声をかけてくる
「あのおにーちゃんのことじゃないのかな?」
「いや、一瞬はそう思ったんだけどな」
「いや、一瞬はそう思ったんだけどな」
リカちゃんの言葉に答えるTさんの契約者
…確かに、一瞬は、「日焼けマシン」の契約者のことかと、思った
が
勝手な思い込みで申し訳ないのだが、「翼」と言う名前が、彼に似合わないような気がしてしまって
咄嗟に違う、と答えてしまった
…今でも、その名前と彼の印象が重ならないから、困る
…確かに、一瞬は、「日焼けマシン」の契約者のことかと、思った
が
勝手な思い込みで申し訳ないのだが、「翼」と言う名前が、彼に似合わないような気がしてしまって
咄嗟に違う、と答えてしまった
…今でも、その名前と彼の印象が重ならないから、困る
「多分、違うよな?Tさん」
「……咄嗟に知らないと答えてしまったが、どうだろうな」
「……咄嗟に知らないと答えてしまったが、どうだろうな」
首を捻るTさん
だが、もうあの女性に声をかけようにも…何時の間にか、さらに溢れだした人波に、彼女は飲み込まれてしまっていて
探す事もかないそうにはないのだった
だが、もうあの女性に声をかけようにも…何時の間にか、さらに溢れだした人波に、彼女は飲み込まれてしまっていて
探す事もかないそうにはないのだった
「……まぁったく、本当、どこにいるんだい…あの、馬鹿息子」
人波に巻き込まれながら
女性は困ったように、そう呟いているのだった
女性は困ったように、そう呟いているのだった
to be … ?
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