連載 - 合わせ鏡のアクマ-03
「・・・撒いたか?」
「たぶん・・・でも油断はできないよ。あいつも犬なんだ、匂いで追われるかも」
「くそ、近くには川みたいなのもないはずだしな・・・」
俺たちが何故こんなことになってるかというと、話は今日の昼に遡る。
「たぶん・・・でも油断はできないよ。あいつも犬なんだ、匂いで追われるかも」
「くそ、近くには川みたいなのもないはずだしな・・・」
俺たちが何故こんなことになってるかというと、話は今日の昼に遡る。
「ブラックドッグ?」
「うむ、元々は外国の都市伝説なんだがな。」
そう言って溜息をつくのはいい歳したおじさん・・・・・・の顔をした犬だった。
「『真っ赤な目をした黒い犬が道を走る』・・・という都市伝説だ」
「それで、その『ブラックドッグ』っていうのを僕たちにどうしてほしいのさ」
「無論、退治してもらいたいんだ」
ふざけるな、なんで俺が今日出合ったばっかの人・・・いや、『人面犬』の頼みを聞かなくちゃいけ「いいよ」
「うむ、元々は外国の都市伝説なんだがな。」
そう言って溜息をつくのはいい歳したおじさん・・・・・・の顔をした犬だった。
「『真っ赤な目をした黒い犬が道を走る』・・・という都市伝説だ」
「それで、その『ブラックドッグ』っていうのを僕たちにどうしてほしいのさ」
「無論、退治してもらいたいんだ」
ふざけるな、なんで俺が今日出合ったばっかの人・・・いや、『人面犬』の頼みを聞かなくちゃいけ「いいよ」
うおい!
「何驚いてるのさ、そもそも僕たちは悪い都市伝説をやっつけるために契約してるんだよ?」
「いや、聞いてねーし。契約の時そんなこと言われてねーし」
「でも今までちゃんとやってくれたじゃないか、今回も頼むよ・・・ね?」
「ね?・・・じゃない!俺だって日々の生活ってのがあるんだぞ」
「きゃつが現れるのは夜中じゃ、学生さんにはちとつらいかの」
いいこと言ったぞ人面犬。昼間学校、夜中はバケモノ退治。冗談じゃねぇよ、一度や二度なら許せるが三度目はねぇ。
「じゃあ、学校休めばいいじゃない」
お前は俺に社会との関わりを捨てろというのか
「・・・分かった、もういい俺が折れてやる。いつまでもこんなことしてたら埒があかねぇ」
「ようやくその気になってくれたんだね!」
満面の笑みを浮かべるな、それが大げさな演技だということは分かってるんだぞ腐れ悪魔め。
「だが、条件がある。次の日が休日の夜中・・・つまり、金曜と土曜の夜だけだ。急を要するなら考えるけどな」
「いや、それでいい。まだ犬や猫が襲われただけで人間に被害は出とらんからな」
アクマが何か言う前に話を進めてくれる『人面犬』なんだこいつ、いい奴じゃねぇか。
「えー、でもそんなんで都市伝説退治やっていけるのー?」
「無理を言わんでやりなさい。学生さんもほとんど巻き込むように契約させたんじゃろ?それくらいの譲歩はしてやりなさい」
「・・・わかった」
ひょっとして・・・この『人面犬』、けっこう偉いのか?いや、ただ貫禄があるだけかもしれないが。
「で明日は丁度土曜じゃから、今夜やってもらえんかの?」
「いいぞ。今日は午前放課で仮眠もとれるしな」
「いや、聞いてねーし。契約の時そんなこと言われてねーし」
「でも今までちゃんとやってくれたじゃないか、今回も頼むよ・・・ね?」
「ね?・・・じゃない!俺だって日々の生活ってのがあるんだぞ」
「きゃつが現れるのは夜中じゃ、学生さんにはちとつらいかの」
いいこと言ったぞ人面犬。昼間学校、夜中はバケモノ退治。冗談じゃねぇよ、一度や二度なら許せるが三度目はねぇ。
「じゃあ、学校休めばいいじゃない」
お前は俺に社会との関わりを捨てろというのか
「・・・分かった、もういい俺が折れてやる。いつまでもこんなことしてたら埒があかねぇ」
「ようやくその気になってくれたんだね!」
満面の笑みを浮かべるな、それが大げさな演技だということは分かってるんだぞ腐れ悪魔め。
「だが、条件がある。次の日が休日の夜中・・・つまり、金曜と土曜の夜だけだ。急を要するなら考えるけどな」
「いや、それでいい。まだ犬や猫が襲われただけで人間に被害は出とらんからな」
アクマが何か言う前に話を進めてくれる『人面犬』なんだこいつ、いい奴じゃねぇか。
「えー、でもそんなんで都市伝説退治やっていけるのー?」
「無理を言わんでやりなさい。学生さんもほとんど巻き込むように契約させたんじゃろ?それくらいの譲歩はしてやりなさい」
「・・・わかった」
ひょっとして・・・この『人面犬』、けっこう偉いのか?いや、ただ貫禄があるだけかもしれないが。
「で明日は丁度土曜じゃから、今夜やってもらえんかの?」
「いいぞ。今日は午前放課で仮眠もとれるしな」
そして現在、午後1時を少し回った時間
「まさかあんなに早いとはな・・・」
「僕が気付かない距離から炎で攻撃、そっちに意識が向いてる隙をついて背後から突撃・・・」
「厄介だな。あの犬かなり頭が回るらしい」
せめてもの救いは・・・向こうが本気でこっちを襲ってるわけじゃねぇってことだ。
「まさかあんなに早いとはな・・・」
「僕が気付かない距離から炎で攻撃、そっちに意識が向いてる隙をついて背後から突撃・・・」
「厄介だな。あの犬かなり頭が回るらしい」
せめてもの救いは・・・向こうが本気でこっちを襲ってるわけじゃねぇってことだ。
「しかしよ、本当に倒すのか?」
「なにを今更そんなことを」
「だってよ、向こうはこっちを警戒してるだけだぞ?説得すれば分かってくれるんじゃねぇか?」
「・・・でも、もし説得に応じてもらえなければ契約者は喉笛噛みつかれて死ぬかもしれないよ?」
それは困る。まだ友達Aに借りた金を返してないんだ。
「・・・律儀だね」
金はこの世で5番目くらいに大切なんだぞ。
「・・・で、どうするの?説得してみるっていうなら僕も手伝うけど」
「いや、もう少し様子をみよう」
「なにを今更そんなことを」
「だってよ、向こうはこっちを警戒してるだけだぞ?説得すれば分かってくれるんじゃねぇか?」
「・・・でも、もし説得に応じてもらえなければ契約者は喉笛噛みつかれて死ぬかもしれないよ?」
それは困る。まだ友達Aに借りた金を返してないんだ。
「・・・律儀だね」
金はこの世で5番目くらいに大切なんだぞ。
「・・・で、どうするの?説得してみるっていうなら僕も手伝うけど」
「いや、もう少し様子をみよう」
ここで依頼の内容を確認だ。(いつもは学校の噂とかから情報を仕入れて勝手に退治にしてる)
今回の情報元は『人面犬』なわけだが・・・確か話の内容はこんなだったはずだ。
今回の情報元は『人面犬』なわけだが・・・確か話の内容はこんなだったはずだ。
『最近、夜中のバイパスに黒い大きな犬が現れて疾走していく。
それだけじゃなく、そいつが野良犬野良猫を襲ってバイパスに置いていってるらしい
犬猫の代わりに人が襲われる前に、きゃつを退治するなりしてこの行為を止めて欲しい』
それだけじゃなく、そいつが野良犬野良猫を襲ってバイパスに置いていってるらしい
犬猫の代わりに人が襲われる前に、きゃつを退治するなりしてこの行為を止めて欲しい』
「奴への対処方法は確か、神に祈ることと川を渡ることだったか?」
「神に祈ることはアクマの僕としてはやめてほしい・・・それに退治が目的なら川を渡らないほうがいいよ」
攻撃範囲は鏡に映る範囲だからな、離れたら膠着状態になってしまう。
「ってことは、隙をついて奴に襲い掛かるしか・・・!」
「契約者!」
『ブラックドッグ』は真っ直ぐにこっちに向かって走ってきていた。
「契約者、鏡を!」
「わかってる!」
そう言いつつ俺は片方の鏡を地面に置く。
アクマがぶつぶつと呪文を唱え始めた。
そして『ブラックドッグ』の前足が俺に触れ・・・ることはなく、ブラックドッグはそのまますり抜けてしまった。
『ブラックドッグ』はキョロキョロとあたりを見渡している・・・
「間一髪だな・・・」
「神に祈ることはアクマの僕としてはやめてほしい・・・それに退治が目的なら川を渡らないほうがいいよ」
攻撃範囲は鏡に映る範囲だからな、離れたら膠着状態になってしまう。
「ってことは、隙をついて奴に襲い掛かるしか・・・!」
「契約者!」
『ブラックドッグ』は真っ直ぐにこっちに向かって走ってきていた。
「契約者、鏡を!」
「わかってる!」
そう言いつつ俺は片方の鏡を地面に置く。
アクマがぶつぶつと呪文を唱え始めた。
そして『ブラックドッグ』の前足が俺に触れ・・・ることはなく、ブラックドッグはそのまますり抜けてしまった。
『ブラックドッグ』はキョロキョロとあたりを見渡している・・・
「間一髪だな・・・」
俺がいるのは『ブラックドッグ』がいる場所から少し離れた廃ビルの屋上だ。
バイパスの近くで、なおかつ出入りが簡単だったので俺はここを監視場所として使うことにしていた。
そしてあらかじめ昼のうちに仕掛けを施しておいたのだが・・・まさか本当に使うとなるとはな。
「危なかったねぇ・・・」
「つぅかもう少し早く唱え始めてくれ。でないと俺が死ぬ」
足元に転がっているのは一枚の鏡―― 俺が持ってた二枚とは違う、三枚目の鏡だ。
そして持っていた鏡の一つは今俺が手に持っており・・・もう一枚は今、『ブラックドッグ』の足元にある。
【鏡と鏡の間を瞬間移動する】能力らしいんだが・・・
明確に移動先の鏡の場所を意識したうえで呪文を唱えないといけないため、こうやって事前に準備が必要なんだ。
「・・・で、どうする?」
「あのスピードは確かにやっかいだ・・・けど、まったく反応できないわけじゃないよ」
アクマは顔をあげると作戦を話始めた。
「時間がないから、手短に話すよ。まず『ブラックドッグ』はまだ鏡と僕らが消えたことの関連に
気がついてない。だから、もう一度瞬間移動であいつの目の前に現れる。あいつが驚いた隙に
契約者は地面にある鏡を拾ってあいつに向けて。拾ってる間に僕は呪文を詠唱しておくからさ」
珍しく長くしゃべったからか、全然手短じゃないように思える。
「・・・ってことは、鏡に吸い込むのか?」
「うん、隙をついて確実な攻撃をする・・・できるよね?」
「当たり前だ。問題はあいつがすぐに状況を理解して襲い掛からないかだが・・・」
そこは運に任せるしかないだろう。
「じゃあ、いくよ?」
バイパスの近くで、なおかつ出入りが簡単だったので俺はここを監視場所として使うことにしていた。
そしてあらかじめ昼のうちに仕掛けを施しておいたのだが・・・まさか本当に使うとなるとはな。
「危なかったねぇ・・・」
「つぅかもう少し早く唱え始めてくれ。でないと俺が死ぬ」
足元に転がっているのは一枚の鏡―― 俺が持ってた二枚とは違う、三枚目の鏡だ。
そして持っていた鏡の一つは今俺が手に持っており・・・もう一枚は今、『ブラックドッグ』の足元にある。
【鏡と鏡の間を瞬間移動する】能力らしいんだが・・・
明確に移動先の鏡の場所を意識したうえで呪文を唱えないといけないため、こうやって事前に準備が必要なんだ。
「・・・で、どうする?」
「あのスピードは確かにやっかいだ・・・けど、まったく反応できないわけじゃないよ」
アクマは顔をあげると作戦を話始めた。
「時間がないから、手短に話すよ。まず『ブラックドッグ』はまだ鏡と僕らが消えたことの関連に
気がついてない。だから、もう一度瞬間移動であいつの目の前に現れる。あいつが驚いた隙に
契約者は地面にある鏡を拾ってあいつに向けて。拾ってる間に僕は呪文を詠唱しておくからさ」
珍しく長くしゃべったからか、全然手短じゃないように思える。
「・・・ってことは、鏡に吸い込むのか?」
「うん、隙をついて確実な攻撃をする・・・できるよね?」
「当たり前だ。問題はあいつがすぐに状況を理解して襲い掛からないかだが・・・」
そこは運に任せるしかないだろう。
「じゃあ、いくよ?」
一瞬で目の前に『ブラックドッグ』が現れる。いや違う、俺達がこいつの目の前に一瞬で現れたんだ。
俺はこっちを向いた『ブラックドッグ』を無視し、地面に置いてあった鏡を手に取った。
アクマの呪文ももうすぐ終わる、俺は二枚の鏡を『ブラックドッグ』の前に突き出し・・・
俺はこっちを向いた『ブラックドッグ』を無視し、地面に置いてあった鏡を手に取った。
アクマの呪文ももうすぐ終わる、俺は二枚の鏡を『ブラックドッグ』の前に突き出し・・・
ブォーン!!
『それ』を、見た。
「な・・・なんだありゃあ!」
俺は思わず叫んでいた。
状況をすぐに受け止められない。アクマの呪文が止まっている、同じように固まってるんだろう。
俺は思わず叫んでいた。
状況をすぐに受け止められない。アクマの呪文が止まっている、同じように固まってるんだろう。
そんな俺達の反応をよそに『それ』はバイパスの向こうからこっちに迫ってくる。
『ブラックドッグ』は、『それ』に反応し動いていた。
俺達を相手にしたときなど比べ物にならない速さで『それ』に詰め寄り・・・横に飛んだ。
『それ』はなにか武器を持っているらしく、月の光を受けて大きなナイフのようなものが煌いていた。
と、『それ』が腕を振り上げると煌きが動き・・・それを『ブラックドッグ』が避けている。
と、振り上げた時にすっぽ抜けたのか、放り上げられたものが『ブラックドッグ』近くにトスン、と落ちた。
それを『ブラックドッグ』は拾い上げると、ポーンと俺の近くに放り投げてきた。邪魔だったんだろう。
それは「猫」だったモノ・・・だった。
そうだ、俺はボソッと人面犬が付け加えた内容を無視していた。だが、それは無視しちゃいけないものだった。
『ブラックドッグ』は、『それ』に反応し動いていた。
俺達を相手にしたときなど比べ物にならない速さで『それ』に詰め寄り・・・横に飛んだ。
『それ』はなにか武器を持っているらしく、月の光を受けて大きなナイフのようなものが煌いていた。
と、『それ』が腕を振り上げると煌きが動き・・・それを『ブラックドッグ』が避けている。
と、振り上げた時にすっぽ抜けたのか、放り上げられたものが『ブラックドッグ』近くにトスン、と落ちた。
それを『ブラックドッグ』は拾い上げると、ポーンと俺の近くに放り投げてきた。邪魔だったんだろう。
それは「猫」だったモノ・・・だった。
そうだ、俺はボソッと人面犬が付け加えた内容を無視していた。だが、それは無視しちゃいけないものだった。
『そういやの、殺された犬や猫はみんな大きな切り傷があるんじゃよ。犬にやられたにしてはちとおかしいとは思わんか?』
ああ、あの時は特に何も思わなかったさ・・・今は違うけどな!
野良犬や野良猫は『ブラックドッグ』に殺されたわけじゃねぇ・・・
『ブラックドッグ』は顎の力が強いから放り投げる時にちょっと大きな噛み傷がついただけだ。
本当に殺してたのは、あの馬鹿でかいナイフを持った・・・
野良犬や野良猫は『ブラックドッグ』に殺されたわけじゃねぇ・・・
『ブラックドッグ』は顎の力が強いから放り投げる時にちょっと大きな噛み傷がついただけだ。
本当に殺してたのは、あの馬鹿でかいナイフを持った・・・
「そ、そんな・・・なんで」
ようやくショックから立ち直ったらしいアクマが叫んだ。
ようやくショックから立ち直ったらしいアクマが叫んだ。
「なんでここに『首無しライダー』がいるんだ!」
真っ黒なライダースーツと、同じく黒い車体のバイク・・・
『首無しライダー』は見事に夜闇の中に溶け込んでいた。
対立する暴走族にワイヤーを道に仕掛けられて首を失った『首無しライダー』は
要するに幽霊だ、エンジン音なんて鳴らそうと思わない限りするわけがない。
だから『首無しライダー』の目撃情報がなく、赤い目が目立つ『ブラックドッグ』の情報だけがあったんだろう。
くそ、やっぱりもう少し後になってから来るんだった!
「なんで『首無しライダー』が・・・あれは山道に出る都市伝説なんじゃないの!?」
「ああ、それなら見当がついてるぜ・・・実はな、『首無しライダー』が出るって噂の山道が今工事中なんだ』
交通量が多い分、事故も多いからガードレールとかを増やしてるらしい。
「それでだな、そこの山道を普段使ってる人達は・・・このバイパスを使ってるんだ」
おそらく工事のせいで思うように走れない『首無しライダー』がここで走ってるんだろう。
「でもなんで、犬や猫を襲うんだ・・・?」
「・・・ひょっとして、本来と違う場所を走ってるせいで狂ってきてるんじゃ」
だとしたら、俺達が戦うべきなのはあの『首無しライダー』だ。
「アクマ、俺の言うとおりに動け」
「考えがあるの?」
「・・・一応な。成功するかは運任せだが」
『首無しライダー』は見事に夜闇の中に溶け込んでいた。
対立する暴走族にワイヤーを道に仕掛けられて首を失った『首無しライダー』は
要するに幽霊だ、エンジン音なんて鳴らそうと思わない限りするわけがない。
だから『首無しライダー』の目撃情報がなく、赤い目が目立つ『ブラックドッグ』の情報だけがあったんだろう。
くそ、やっぱりもう少し後になってから来るんだった!
「なんで『首無しライダー』が・・・あれは山道に出る都市伝説なんじゃないの!?」
「ああ、それなら見当がついてるぜ・・・実はな、『首無しライダー』が出るって噂の山道が今工事中なんだ』
交通量が多い分、事故も多いからガードレールとかを増やしてるらしい。
「それでだな、そこの山道を普段使ってる人達は・・・このバイパスを使ってるんだ」
おそらく工事のせいで思うように走れない『首無しライダー』がここで走ってるんだろう。
「でもなんで、犬や猫を襲うんだ・・・?」
「・・・ひょっとして、本来と違う場所を走ってるせいで狂ってきてるんじゃ」
だとしたら、俺達が戦うべきなのはあの『首無しライダー』だ。
「アクマ、俺の言うとおりに動け」
「考えがあるの?」
「・・・一応な。成功するかは運任せだが」
夜闇の中で『首無しライダー』と『ブラックドッグ』は熾烈な戦いを繰り広げていた。
『首無しライダー』がナイフを振りかぶって切り裂こうとすれば『ブラックドッグ』はすぐさま飛び退き、
逆に『ブラックドッグ』が噛みつこうとすればナイフでこれを防ぐ。
・・・と、『首無しライダー』のバイクの車体に何かがぶつかった。
『首無しライダー』が意識をそっちに向けると、それは拳より少し小さいくらいの小石だった。
「おい、てめぇ『首無しライダー』!!」
『ブラックドッグ』の素早い攻撃に対応しながら、『首無しライダー』は肉体的には無い耳を声に向けた。
「お前のバイク、全部黒塗りかよ!だっせーぞ!!」
『首無しライダー』がナイフを振りかぶって切り裂こうとすれば『ブラックドッグ』はすぐさま飛び退き、
逆に『ブラックドッグ』が噛みつこうとすればナイフでこれを防ぐ。
・・・と、『首無しライダー』のバイクの車体に何かがぶつかった。
『首無しライダー』が意識をそっちに向けると、それは拳より少し小さいくらいの小石だった。
「おい、てめぇ『首無しライダー』!!」
『ブラックドッグ』の素早い攻撃に対応しながら、『首無しライダー』は肉体的には無い耳を声に向けた。
「お前のバイク、全部黒塗りかよ!だっせーぞ!!」
・・・何かが『首無しライダー』の中ではじけ、それはすぐに怒りへと変わった。
―――こいつ、ブッ殺す!
―――こいつ、ブッ殺す!
『首無しライダー』は急に方向を変えると、俺に向かって突っ込んできた。
そしてぶつかるタイミングを慎重に計り・・・今だ!
寸前で全身のバネを使って横に飛び退く。
頭の上を煌くナイフが通り過ぎ、俺はアスファルトに転がる。
慌てて鏡が割れていないことを確認し、起き上がろうとすると『首無しライダー』が方向転換して突っ込んでくるところだった。
煌くナイフと、法定速度など知ったことかというスピード。
どうやっても避けきれるわけがない。そう考え『首無しライダー』はナイフを振り上げて・・・
そしてぶつかるタイミングを慎重に計り・・・今だ!
寸前で全身のバネを使って横に飛び退く。
頭の上を煌くナイフが通り過ぎ、俺はアスファルトに転がる。
慌てて鏡が割れていないことを確認し、起き上がろうとすると『首無しライダー』が方向転換して突っ込んでくるところだった。
煌くナイフと、法定速度など知ったことかというスピード。
どうやっても避けきれるわけがない。そう考え『首無しライダー』はナイフを振り上げて・・・
猛烈な衝撃を受けてバイクの上から吹き飛んだ。
バイクの黒い車体が横滑りしながら倒れ、『首無しライダー』はアスファルトに叩きつけられた。
そして『首無しライダー』のいた位置にスタッと着地したのは『ブラックドッグ』だ。
自身が猛スピードで走っていたことと、正面から『ブラックドッグ』の体当たりを受けたことで
『首無しライダー』は相当のダメージを負っていた・・・しかし、それでもナイフを片手で持ち起き上がろうとして・・・
そして『首無しライダー』のいた位置にスタッと着地したのは『ブラックドッグ』だ。
自身が猛スピードで走っていたことと、正面から『ブラックドッグ』の体当たりを受けたことで
『首無しライダー』は相当のダメージを負っていた・・・しかし、それでもナイフを片手で持ち起き上がろうとして・・・
「じゃあね、鏡の中で思う存分に走るといいよ・・・吸い込め」
合わせ鏡の中に、愛用・・・いや、半身であるバイクとともに吸い込まれていった。
「終わったか」
「うん、まったく無茶するよね契約者は・・・」
「うん、まったく無茶するよね契約者は・・・」
時計を見ると・・・うわ、時計が壊れてやがる!着地の時にぶつけたからか・・・
「『首無しライダー』が突っ込んでいった時はもう、呪文じゃなくてお経を唱えようかと」
「縁起でもないこと言うな!・・・って、お経は大丈夫なのか?」
「あー、実はあんまり良くない」
と、そういえば
「お前には迷惑かけたな、『ブラックドッグ』」
「気にすることはないですわ」
・・・え、今なんか幻聴聞こえた?
「幻聴じゃありませんわよ、ワタクシが話しかけているのですわ」
「「・・・えええええええええ!?」」
嘘だ!だってお前『人面犬』みたいに人の顔すらしてないじゃないか!
「あら、じゃあ説明しておきましょうか・・・今、ワタクシはあなたの脳に直接話しかけているのですわ」
つまり・・・テレパシーってことか?
「そういうことになりますわね。でも、あなたの考えていることが分かるというわけではなくってよ」
「ああ、そうですかそりゃ少し安心できた・・・で、もう一つ質問があるんだが」
「なんですの?」
「お前って・・・その・・・・・・メス、なのか?」
「・・・見て分かりませんの?」
見ただけで犬の性別が分かる人間なんてそんなゴロゴロしてねぇよ。
「体も大きいし、勇ましいから僕ずっとオスだとばっかり・・・」
「べ、別にいいじゃありませんの!大きくて勇ましくても!」
気にしてるんだな。こいつ
「まぁでも、そういう女も俺は嫌いじゃねーよ」
「そ、そうですの・・・?」
もじもじすんな、犬がやってても気味悪いだけだ。
「『首無しライダー』が突っ込んでいった時はもう、呪文じゃなくてお経を唱えようかと」
「縁起でもないこと言うな!・・・って、お経は大丈夫なのか?」
「あー、実はあんまり良くない」
と、そういえば
「お前には迷惑かけたな、『ブラックドッグ』」
「気にすることはないですわ」
・・・え、今なんか幻聴聞こえた?
「幻聴じゃありませんわよ、ワタクシが話しかけているのですわ」
「「・・・えええええええええ!?」」
嘘だ!だってお前『人面犬』みたいに人の顔すらしてないじゃないか!
「あら、じゃあ説明しておきましょうか・・・今、ワタクシはあなたの脳に直接話しかけているのですわ」
つまり・・・テレパシーってことか?
「そういうことになりますわね。でも、あなたの考えていることが分かるというわけではなくってよ」
「ああ、そうですかそりゃ少し安心できた・・・で、もう一つ質問があるんだが」
「なんですの?」
「お前って・・・その・・・・・・メス、なのか?」
「・・・見て分かりませんの?」
見ただけで犬の性別が分かる人間なんてそんなゴロゴロしてねぇよ。
「体も大きいし、勇ましいから僕ずっとオスだとばっかり・・・」
「べ、別にいいじゃありませんの!大きくて勇ましくても!」
気にしてるんだな。こいつ
「まぁでも、そういう女も俺は嫌いじゃねーよ」
「そ、そうですの・・・?」
もじもじすんな、犬がやってても気味悪いだけだ。
「ところで、あなたに相談があるのですけれど・・・」
「なんだ?俺にできることならまぁ・・・考えてやるよ」
「本当ですの!?」
・・・うん、嫌な予感がしてきた。
「えっと、やっぱりやm「あなた、ワタクシの契約者になってくれませんこと!」
予想はついてましたよ、ええ。というか、それくらいしかないよな・・・
「・・・一応理由を、聞こうか。」
「ワタクシ、飛行機の荷物に紛れ込んで日本に来たんですの・・・でも、行く当てがなくって」
なら何故来た。
「向こうには、多くの仲間がいましたわ。でも、ワタクシはもっと広い世界を見たかった・・・
だから旅に出ようと思って飛行機に忍び込んで・・・・それが、たまたま日本行きでしたの』
「なるほどな、事情は分かった。で、それがどう契約に結びつくんだ?」
「・・・ワタクシは、今まで人間とほとんど関わりを持ちませんでしたわ
人間達はワタクシの姿を見れば怖れて逃げ出していくんですもの」
「そりゃあ、目が真っ赤なデカイ犬に出会ったら普通は逃げるわな」
「それでも関係を持ってみたくて、この街に滞在することにしましたの
山の方で普段は過ごしていたのですが、ある日、走り出したくなりましてね
ここの道で走ってたんですのよ。そしたらあのバイク乗りがちょっかいかけてきたんですの」
それであんな風に戦ってたのか。
「おまけにワタクシを意識したのか、次に会った時には傷ついた野良犬を目の前で殺して・・・」
心なしか、声が震えている。同じ犬を殺されたのが、よっぽどつらかったのだろう。ましてや自分が間接的な原因だ。
「それを・・・さらに何度も何度も切って・・・血がどんどん流れて・・・それで・・・!」
「なんだ?俺にできることならまぁ・・・考えてやるよ」
「本当ですの!?」
・・・うん、嫌な予感がしてきた。
「えっと、やっぱりやm「あなた、ワタクシの契約者になってくれませんこと!」
予想はついてましたよ、ええ。というか、それくらいしかないよな・・・
「・・・一応理由を、聞こうか。」
「ワタクシ、飛行機の荷物に紛れ込んで日本に来たんですの・・・でも、行く当てがなくって」
なら何故来た。
「向こうには、多くの仲間がいましたわ。でも、ワタクシはもっと広い世界を見たかった・・・
だから旅に出ようと思って飛行機に忍び込んで・・・・それが、たまたま日本行きでしたの』
「なるほどな、事情は分かった。で、それがどう契約に結びつくんだ?」
「・・・ワタクシは、今まで人間とほとんど関わりを持ちませんでしたわ
人間達はワタクシの姿を見れば怖れて逃げ出していくんですもの」
「そりゃあ、目が真っ赤なデカイ犬に出会ったら普通は逃げるわな」
「それでも関係を持ってみたくて、この街に滞在することにしましたの
山の方で普段は過ごしていたのですが、ある日、走り出したくなりましてね
ここの道で走ってたんですのよ。そしたらあのバイク乗りがちょっかいかけてきたんですの」
それであんな風に戦ってたのか。
「おまけにワタクシを意識したのか、次に会った時には傷ついた野良犬を目の前で殺して・・・」
心なしか、声が震えている。同じ犬を殺されたのが、よっぽどつらかったのだろう。ましてや自分が間接的な原因だ。
「それを・・・さらに何度も何度も切って・・・血がどんどん流れて・・・それで・・・!」
俺は、「ブラックドッグ」を抱きしめていた。
「・・・もう、泣くのを我慢しなくてもいいんだぞ。あいつらの仇は取ったんだからな。敵はもういない、存分に泣けばいい」
「・・・うぅ・・ひっく」
涙を溢れてさせて泣いている『ブラックドッグ』を、
俺はいつまでもなで続けてやった・・・
「・・・うぅ・・ひっく」
涙を溢れてさせて泣いている『ブラックドッグ』を、
俺はいつまでもなで続けてやった・・・
「・・・それでは、契約成立ですわ!」
午前3時を過ぎたあたりで(公園の時計で確認した)、俺と『ブラックドッグ』は契約をかわした。
思いっきり泣いたことでスッキリしたのか、『ブラックドッグ』の声は晴れやかだ。
「二つの都市伝説と契約するなんて・・・もしかして契約者、才能あるんじゃないの?」
なんの才能だ。
「・・・それで、俺の家に来るんだろ?」
「ええ、お願いしますわ」
「一人暮らしで良かったぜほんと・・・」
「ところで、契約者様。ワタクシはやはり家の外で寝るべきですの?」
「いや、その方が目立って困る。それにお前、日の光苦手なんだろ?」
「・・・ええ、では家の中で寝させてもらいますわ」
「契約者ー、コンビニ寄ってポテチ買おうよー」
「・・・まぁいいけど、まだ家まで大分距離あるぞ?」
行きは電車がまだあったが、この時間になるとさすがに終電は終わっている。
「あら、ではワタクシの背中にお乗りくださいませ」
「お、そうか?じゃあお言葉に甘えて・・・鏡持ちながらじゃつらいな」
「大丈夫ですのよ、片手と足でしっかりワタクシにしがみついていれば落ちたりはしませんわ」
言うとおりに片手で三枚の鏡を抱え、足で胴をしっかり挟んでもう片方の手を首の辺りにまわす。
「それじゃあ、走りますわよ・・・!」
言い終わるやいなや、『ブラックドッグ』は猛スピードで走り始めた。
「うわぁ!すっごい早いよ!」
「なんつー、早さだよ・・・」
あっと言う間に家との距離をさっきの半分にまで縮めてしまっている。
「なぁ、お前に名前をつけようと思うんだが!」
「名前ですの?」
逆風に耐えながら声を張り上げる。
午前3時を過ぎたあたりで(公園の時計で確認した)、俺と『ブラックドッグ』は契約をかわした。
思いっきり泣いたことでスッキリしたのか、『ブラックドッグ』の声は晴れやかだ。
「二つの都市伝説と契約するなんて・・・もしかして契約者、才能あるんじゃないの?」
なんの才能だ。
「・・・それで、俺の家に来るんだろ?」
「ええ、お願いしますわ」
「一人暮らしで良かったぜほんと・・・」
「ところで、契約者様。ワタクシはやはり家の外で寝るべきですの?」
「いや、その方が目立って困る。それにお前、日の光苦手なんだろ?」
「・・・ええ、では家の中で寝させてもらいますわ」
「契約者ー、コンビニ寄ってポテチ買おうよー」
「・・・まぁいいけど、まだ家まで大分距離あるぞ?」
行きは電車がまだあったが、この時間になるとさすがに終電は終わっている。
「あら、ではワタクシの背中にお乗りくださいませ」
「お、そうか?じゃあお言葉に甘えて・・・鏡持ちながらじゃつらいな」
「大丈夫ですのよ、片手と足でしっかりワタクシにしがみついていれば落ちたりはしませんわ」
言うとおりに片手で三枚の鏡を抱え、足で胴をしっかり挟んでもう片方の手を首の辺りにまわす。
「それじゃあ、走りますわよ・・・!」
言い終わるやいなや、『ブラックドッグ』は猛スピードで走り始めた。
「うわぁ!すっごい早いよ!」
「なんつー、早さだよ・・・」
あっと言う間に家との距離をさっきの半分にまで縮めてしまっている。
「なぁ、お前に名前をつけようと思うんだが!」
「名前ですの?」
逆風に耐えながら声を張り上げる。
「ああ!赤くてキレイな目だから『ザクロ』っていうのはどうだ!?」
「『ザクロ』・・・いい名前ですわね、気に入りましたわ!」
『ブラックドッグ』・・・いや、ザクロの声が心なしか弾んでいる。
「ずっと人に怖がられてばかりだったこの目・・・褒めてくれたのは、あなたが始めてですわ契約者様!」
「そうか、気に入ってもらってなによりだ!実はルビーと迷ったんだが俺はザクロが好きなんでな!」
「・・・ふふ、けっこうかわいらしい理由ですのね」
「契約者、子供っぽーい!」
「うるせぇ!おいアクマ、今月のアイス代半分にするぞ!」
「そ、それはやめてぇえええええええ!!」
「『ザクロ』・・・いい名前ですわね、気に入りましたわ!」
『ブラックドッグ』・・・いや、ザクロの声が心なしか弾んでいる。
「ずっと人に怖がられてばかりだったこの目・・・褒めてくれたのは、あなたが始めてですわ契約者様!」
「そうか、気に入ってもらってなによりだ!実はルビーと迷ったんだが俺はザクロが好きなんでな!」
「・・・ふふ、けっこうかわいらしい理由ですのね」
「契約者、子供っぽーい!」
「うるせぇ!おいアクマ、今月のアイス代半分にするぞ!」
「そ、それはやめてぇえええええええ!!」
夜空にアクアの叫びを響かせながら、新しい仲間とともに俺達は家に帰るのだった。
・・・ああ、ザクロの餌代の分やっぱアイス代減らそう。うん、決定。
・・・ああ、ザクロの餌代の分やっぱアイス代減らそう。うん、決定。
~ Fin ~
このwikiの更新情報RSS