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連載 - 合わせ鏡のアクマ-02

紅いマントと蒼いマントどっちが好き?



 ・・・突然そう聞かれた・・・
俺は普通に自動販売機でコーラでも買おうと思ってたのに・・・
150円を入れた瞬間うしろから聞かれたんだ
俺はビクっとしちまったよとつぜんだったからな

振り向くと黒いマントに身を包んだ男がいた
(なんだこいつ・・・)
そう思っていると
「紅いマント白いマントどっちが好き?」
とまた聞いてきた
さぁ俺はどっちが好きと言ったと思う?

俺も男の子だ青よりも赤が好きだ
だから俺はストレートに
「・・・紅いマントが好きだけど・・・」
と言った

すると
黒いマントに身を包んだ男が笑い出した
「ぁはははははははは奇遇だねぇ俺もだよぁはははははははは」
そういいながら笑ってたかと思うと
男が身を包んでいた黒いマントが

紅くなった・・・血のような赤色に・・・
「ぁはははははははははは」
その紅くなったマントに身を包んだ男は

マントのなかから
ダガーナイフを取り出し俺の心臓に突き刺した
そして上に切り裂いた
 ・・・俺の胸からはたくさんの血が噴出した
紅マントの男にもその血は降り注いだ
そしてその男は言った



「新鮮な血をありがとうぁははははははははははぁははははははははははは」
そこで俺の意識は・・・いや俺の命は終わってしまった

「・・・お兄さん、もう起きてもいいよ?」
「へ?」
「あー、とにかくこの場から逃げ出してくれると・・・俺たちにとってもありがたい」
「な!?」
呆然としてる男はほっといてとりあえずマント野郎に向きなおる。
「・・・これが怪人『赤マント・青マント』か、ただの気が狂った変人にしか見えないんだけどな」
「それって狂人っていうんじゃない?にしてもわざわざ女装する必要がなくて助かった!」
「させられるのは俺だけどなっ!・・・なんだ、アンタまだいたのか邪魔だっ!」
「うげぇ!」
転がっていった男が気絶したのを確認してもう一度マント野郎に向きなおる。
「ぁはははははは君たちは赤いマント青いマントどっちが好きぃいいい?」
「うるせぇ!俺はマント自体好きじゃねぇんだよ!」
「僕は青いマントっていいかなーって思う・・・」
「うおい!?」
答えるのかよ!しかも青とかセンス疑うぞ!?
「ぁはははは俺も好きだよぁはははははは」
さっきと言ってることが違うじゃねぇか!
その間にもマント野郎のマントは鮮やかな青に染まっていく。
「ぁはははは苦しむ顔を見せてよぁはははははは」
マント野郎が両手を前に伸ばした、と
「な、水!?」
「青マントは相手を水に沈めるからね、どこでもできるように水を操れてもおかしくはな・・・っ!」
マント野郎の両袖からでてきた水は、怒涛の勢いでアクマを包み込んだ。

だが・・・

包み込まれていたアクマが水の中から掻き消えた。
「ぁはははは・・・あれ?」
「僕はこっちだよ、マントの人♪」
いつのまにかマント野郎の背後に回りこんでいたアクマが、マント野郎に拳を叩き込む。
見た目以上に重い攻撃を喰らったマント野郎は悲鳴もあげられないまま吹き飛んだ。
「これが僕の能力のひとつ【鏡の中と入れ替わる】能力だよ。ただし、継続時間は10秒未満!」
「未満ってどういうことだ!・・・にしてもお前、あんなに力強かったのか?」
「合わせ鏡が20m以内にあれば、そこそこ身体能力は高くなるよ?もっともそれ以上は動くのもつらいんだけどさ」
「そうなのか、てか20mってけっこうひろ・・・うがっ!?」
突然背後に衝撃を感じて鏡を1枚取り落とす、慌てて拾おうとすると

バリン

と、鏡がマント野郎に踏み割られた。
「ちくしょう!あれでまだ動くのかよ!」
「ま、まずいよ!合わせ鏡がないと僕・・・」
オロオロするアクマ、だが万策尽きたわけじゃない・・・俺の頭は解決策を導き出していた。
「来い!逃げるぞ」
「え・・・う、うん!」
「ぁはははは逃がさないよぁはははは」

「・・・おい、もし今合わせ鏡があったらアイツをどうする?」
「ぜぇ・・・そうだね・・・鏡の中のアイツと取り替えてやりたい・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「なに?」
俺は思わず聞き返していた。

「ぜぇ・・・あの能力はね・・・はぁ・・・二つの使い方が・・・げほっ・・・あるんだよ・・・」
「・・・つらそうだな」
「合わせ鏡がないと・・・はぁ・・・はぁ・・・駄目なんだよ・・・ぜぇ・・・」
「もし、合わせ鏡があればアイツに勝てるか?」
「・・・勝てる、げほっ」
「ぁははははは何話してるのかな?ぁはははは」
くそ、追いついてきやがった!
「いいか、俺がなんとかアイツの注意を引きつけるからお前は攻撃に集中しろ!」
「で、でも合わせ鏡がないと・・・」
「いいからタイミングを外すなよ!」
後ろを振り向いてマント野郎に叫ぶ。
「俺は赤いマントが好きだ!」
マント野郎はこっちを見ると、ニタァと笑い
「ぁははははは僕も好きだよぁははははは」
俺をを追ってきた!
「ほらほら俺を殺してみな!」
そろそろか・・・このあたりの道筋を頭の中で思い浮かべると

シュッ

とナイフが後ろから投げられてきた。
「くそ、このままじゃやば・・・っ!」
足に走る激痛、よろけた俺はT字路のところでそのまま転んでしまった。
「ぁははははすぐに血まみれにしてあげるよぁははははは」
足から血が流れていた・・・だが、動脈は切られてないらしい。不幸中の幸いだ。
「そうかな・・・?」
俺はマント野郎に笑い返してやると、一枚だけ残った鏡を上に掲げた。

―― 裏向きで

「・・・し、」
マント野郎が笑みを消し、慌てた様子で俺の頭上を見る。

そこにはカーブミラーがあり・・・俺の持ってる鏡と、合わせ鏡を作り出していた。

「しまったぁ!!」
「もっと周りに気を配るんだったな・・・アクマ!」
「分かってるよ!」
アクマはマント野郎の腕をつかむと馬鹿力でそのまま・・・
「でぇええええい!!」
 ・・・カーブミラーに、投げ飛ばした。
マント野郎がカーブミラーの鏡面にぶつかった・・・と思った瞬間、

マント野郎が俺の目の前に立っていた。

「・・・は?」
思わず声が出た。
「よし、これにて一件落着・・・いひゃひゃひゃ!なんで頬引っ張るのさ!」
「なにが一件落着だ!どういうことだよ、アイツまだいるじゃねぇか!!」
「ふぇ?・・・あ、あーそういうことか」
そんなやり取りをしているとマント野郎が近づいてきた。
ちょっ、やば・・・

「礼を言うぞ、少年」

 ・・・は?

「・・・えっと、つまりね?鏡の中の人と入れ替わったんだよ、「赤マント・青マント」は」
「それとあの態度とどう関係があるんだ」
「鏡の中の人格ってね、完全に本体と同じか逆ってわけじゃないんだよ」
「・・・つまり、あいつの鏡の中の人格は、あんな紳士的だったと」
「そういうこと・・・欠点は、鏡の中の人格がどんななのかが分からないから余計悪化する可能性があるってこと」
まったく・・・驚かせやがって。
「ん、待てよ?ひょっとして『赤マント・青マント』としての能力はそのままなのか?」
「そうだよ?でもこの人なら人殺しには能力を使わないんじゃないかな、ねぇ?」
問われて、マント野郎改めマント紳士はうなづきながら答えた。
「人殺しなどとんでもない。鏡の中から見ていてもゾッとするものだったよ」
「・・・にしても、どこで使うんだよ【出血量を調節する】能力なんて。【水を操る】能力ならまだ使い道ありそうだが」
「それはおいおい考えるさ・・・では、そろそろ失礼するぞ。君たちには感謝しきれない・・・この借りはいつか必ず」
「そんなに深く考えなくていいのに・・・さようなら」
こうして「赤マント・青マント」と俺たちの戦いは集結したのだった。

「ねー、帰りにコンビニでアイス買ってよー」
「駄目だ。足から血なんか流してるのにコンビニなんか行けるかよ」
「ぶー」
はぁ・・・本当にこいつはワガママで悪魔っぽい・・・というかアクマだけどな。
「わかった、明日になったら買ってやるよ」
「わーい!」
明日の予定にアイス購入・・・と脳内で付け加えながら、
俺たちは家に帰るのであった。


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