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連載 - 赤い幼星-04

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匿名ユーザー

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  ―――――真夜中の路地裏





       ―――――――人気の無いその空間に





   ――――血塗れの、男の姿と






             ――――――――それを見て、にたりと笑う、黒いスーツの少女が1人





(男>くっ来るなァ! 来ないでくれぇ!!

男は傷だらけだった。 顔、腕、足・・・至る所に生々しい引っかいた痕。
しかし、彼の手の爪は、赤黒く染まっていた。
 ・・・そう、自分で自分の体を、血塗れになるまでに己の体を掻き続けていたのだ。

(少女>ふふふふ・・・なんとも見苦しい。でもいつ見ても飽きないなぁ、この光景は

少女は腕を組みながら、横たわりもがき続ける男に歩み寄る。
コツ、コツ・・・ハイヒールの音が響く度、銀色の髪と、組んだ腕に乗せられた胸が揺れ、
情の欠片も見られぬ灰色の眼が、男を冷たく、鋭く見据えていた。
もがき苦しむ男は、彼女の足首を掴み、

(男>た・・・助けてくれ・・・! たったすけtt―――――

―――――――――――ガッ!

懇願する男の顔を、少女はハイヒールで踏みつける。
響く鈍い音。 どうやら顎が砕けたらしい

(少女>穢れた手で私に触れるな。貴様の血がついたらどうする?

ギギギ、と踏みつける力を強める。
静かな、しかし凄まじい怒りと憎悪が、彼女から感じられる。

(少女>しかし不運だったなぁ? 私に出会わなければこうならずに済んだものを・・・
    悪く思うなよ、仕方ないのだ。 貴様は――――

ちら、と少女は視線を別の方向に向ける。



(少女>――――――――――見てしまったのだから



視線の先には、男と同じく血塗れになった、赤いマントを着た男性―――赤マントである。
元々が赤いのだが、血の所為で赤黒いマントに変色してしまっている。
既に息絶えており、その手にはしっかりと・・・血に濡れたナイフが、握られていた。
数秒後、それは光の粒子となって虚空に消えてしまった

(少女>仕事柄、あぁいうものを一般人に見られてはまずいのでな・・・
    記憶を消す手段もあるが、残念ながら私の場合もっと都合の良い方法があるのでね

胸の谷間に手を入れる少女。 そこから取り出したのは、水の入った小瓶。
ぽん、と蓋を開け、ぶつぶつと何やら御経のようなものを唱える。

(男>っっっっ!!!っっっっっっ!!!!

その呪文を聞いた瞬間、男の表情が一気にひきつった。
声が出せない故、やめてくれと願わんばかりに手を伸ばす。 涙が血に混じって流れる。

(少女>ふふふふふ・・・良い表情だ。だからやめられんのだよ、この仕事は

彼女は男の顔を踏みにじっていた足を退けると、
小瓶に入った水を、彼の開いたままの口に注ぎ込んだ。
その瞬間、彼の口の中から、禍々しいオーラを放つ、幾つかの霊魂のようなものが飛び出す。
それらは既に男を纏っていた霊魂達と共に1つになり、巨大なガス状の髑髏のような様となる

(男>っっっっっっっっっっっっ!!!!!!!
(少女>・・・「お憑かれ様」。

バクッ!!
霊魂の集合体は、動けぬ男を一口に飲み込む。
その後それらは、パッとその場に散る。 男の姿は、そこにはなかった。
あるのは血と涙の跡。 それと、新たな霊魂が、1つ。

(少女>……Dies ira, dies illa―――

 歌。 彼女は歌を口ずさむ。
「レクイエム」―――霊を鎮めるミサの歌。 その一部の「怒りの日」。
すぅ、と霊魂達はそれぞれ散り散りになり、その一帯から離れていった。
くるり、その場に背を向け、小瓶を胸にしまってスタスタと歩き出す少女。

(少女>・・・しかし解せない。この方が好都合である筈なのに何故“あいつ”はそれを理解しない?
    そもそも考え方が気に食わない・・・なんだあのだらけ様は。
    トップに立つ者の自覚があるのだろうか?

ぴたり
彼女は立ち止まり、憎悪を込めて呟く。


(少女>やはり・・・・・R-No.0は・・・・私こそ相応しい。


そして彼女は歩き出す。 学校町の闇の中を
彼女の名は、R-No.4――――――――レクイエム・リッケンバッカー

   ...END

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