Two of Swords(詳細・ネタバレ編)


  • カーディアン、通常配置無し
  • 家族構成:パパさん(Teigero-Bangero)、ママさん(Naruru)、パンタ(Panta-Putta
  • ジュノ下層の裕福なタルタル商家で家事手伝いをしているカーディアン。
  • Panta-Putta をとても大事に思っている。


特記事項
  • 本来は大戦時代に作られた魔法兵士であり戦争用兵器。
  • しかし人を傷つける事に抵抗を感じ、任務に異論を唱えると、解雇されてしまう。
  • 存在意義も居場所も失った当時のトゥーは壊れるまで彷徨い続けた。
  • 戦争が終わってずいぶん経った頃にTeigero-Bangeroが見つけ、家に持ち帰る。
  • 修復されて再起動したトゥーは初めて戦争が終わったことを知る。
  • 人を傷つける必要は無くなったが、やはり居場所が無い事に戸惑ったトゥーをTeigero-Bangero一家が引き取る事になる。
  • 当時共働きだったTeigero-BangeroNaruruに代わり、まだ幼かったPanta-Putta の育児を任せられる。
  • 現在は専業主婦になったNaruruの家事を手伝いながらPanta-Putta の我が儘に振り回されつつ心配する毎日。


戦争用兵器が見つけた居場所(やさしいカカシ)

とある下層の民家を訪ねた冒険者は不思議な光景に出会う。カーディアンが、夕食の買出しをして、その民家に帰ってきたところだった。


Two of Swords:タダイマ帰リマシタ.タマゴ ト ニンジン デスネ.ハイ、ママサン、オツリデス.
Naruru:いつもありがとさん。ホントに助かるわ。

もちろん、ウィンダスではカーディアンがタルタルに従っている光景はよく見かける。しかし、このように国家単位ではなく個人単位で、家事手伝いをしているのである。更にそこに、その家の息子Panta-Putta は明らかに自分でやるべき雑用もそのカーディアン・Two of Swordsに押し付けていた。


父親のTeigero-Bangeroは息子に説教をするが、肝心の「トゥー」が快くその用事に応じ、そのままお使いに出て行ってしまった。

トゥーが居なくなったのを確認し、Panta-Putta は冒険者に駆け寄ってきて話しかけてきた。

Panta-Putta : あのさぁ、ちょっと頼みたいことがあるんだけど……。ひみつ魔術セットを持ってきてくれない?同じクラスのやつが持っててさぁ。どうしても欲しいんだ……。お願い、このとおり!

ジュノの子供の間で流行ってるらしい「ひみつ魔術セット」の入手をおねだりされてしまった。更に渡すと、それと「台所から失敬したママの特製お鍋」を使って、Panta-Putta は近所のいじめっ子に対抗するつもりらしい。冒険者の反応をよそに張り切るPanta-Putta の前に、お使いから帰ってきたトゥーが現れた。今の会話を聞いてしまったのだ。


Two of Swords : !!……パンタ、マタケンカデスカ。ケンカナンテ ヨクナイデス ヒトヲキズツケルノハヨクナイデス。
Panta-Putta : もおっ! いつもいつもボクのやることを邪魔してばっかり! お前なんかどっかいっちゃえばいいんだ!
Two of Swords : ドコカ?


Panta-Putta : そうっ!お前なんかもういらないよ。いっつもいい子ちゃんぶっちゃってさ!どこでも好きなところへ行っちゃえ!
Two of Swords : スキナトコロ……? ワタシハコノイエトココノミンナガ スキナンデスケド……。
Panta-Putta : ここはだめっ!
Two of Swords :……。ワタシハココニイテハ、イケナインデスカ?
Panta-Putta : しつこいなっ!そうだって言ってるだろ?
Two of Swords : ソウデスカ……。モウ……ワタシハ……イラナインデスネ……。


そっと扉を開き出て行ったトゥーに誰も気づかなかった。

後日、冒険者は困っているNaruruに出会う。頼みごとがあるのにトゥーが見当たらないのだ。頼みごととは、なくしてしまった特製お鍋を調理ギルドから貰ってきて欲しい、というものだった。原因を知っている冒険者は引き受ける事に。入手ルートは想像以上に困難なものの、無事に特製お鍋を届けるとNaruruは大喜び。

Naruru : 助かりました!特製お鍋は見つかったんですけど、穴が開いちゃってて……。あんなに頑丈だったのにねぇ。また何かあったらお願いしちゃおうかしら、なんて。
Naruru :……それにしてもトゥーちゃんは一体どこへ行っちゃったのかしら?

そして、いくら待っても戻ってこないトゥーに、タルタル一家は不安を覚える。心配になって近所を探すと言い出したTeigero-Bangeroと共に冒険者も捜索に協力することに。一方Panta-Putta はというと…

Panta-Putta : チェッ、やっぱりあれじゃダメだったよ。あ~あ、トゥーの言う通りケンカなんてバカバカしくなってきた。特製お鍋のことはママにはだまっておいてね。思いっきり穴をあけちゃったんだ。バレたら大目玉だよ。
Panta-Putta : けど、トゥーにはひどいこと言っちゃったな。あやまらなくちゃ。 あれ、そういやトゥーを見なかった?おかしいなぁどこに行ったんだろ?

そして……トゥーの情報は予想外のところから手に入る。


Monberaux : やぁ君か。実は重患が1人、いや1体運び込まれたんだが……。私にはどうにもならない。もし、何か出来たらお願いしたいところだね。
Monberaux : こちらです。
Two of Swords : ワタシハ……。ワタシハ……

その頃、トゥーは自分の心の悪夢に囚われていた。遠い、戦争の時代の出来事。当時からやさしく、戦争の兵器として生まれたにも関わらず人を傷つけることを躊躇うトゥー。


残酷に聞こえるが、当時のカーディアンはあくまで兵器なのである。

そして欠陥品はいらない、どこかへ消えろと言われたのだった。丁度、あの日のPanta-Putta と同じように。そしてその時と同じようにトゥーは居場所を失い彷徨ったのだった。しかしこのような酷い記憶は、そう何度も耐えられる物でもなく、またトゥーは感受性が豊かなカーディアンである。


Monberauxは、これが心理的な傷による症状と見抜いていた。

Monberaux : カーディアンは魔法力がなくなると自然にその動きを止めるという……。その魔法力を自ら断ってしまったようです。ゴブリンが見つけて運んできてくれました。ウィンダスの手の院に行けば動かなくなったカーディアンを再生できると聞きましたけど……。

つまり、トゥーはPanta-Putta に言われた事のショックで心が砕け、自らの機能を停止。そこをゴブリンが見つけてMonberauxの元へ届けたということのようだ。そこへPanta-Putta が駆け込んで来た。


Panta-Putta : おい、何とか言ってくれよ!いつものようにボクを叱ってくれよ!も、もうどうしようもないの?トゥーはもう動かないの?
Monberaux : いや、ウィンダスに持っていけばまた魔法力を入れてくれる。
Panta-Putta : じ、じゃあトゥーはまた元に戻るんだね?
Monberaux : 動きはすると思う。だけど……。
Panta-Putta : だけど?
Monberaux : きっと今までの記憶は失われてしまうだろう。
Panta-Putta : えっ、じゃあ……。
Monberaux : そう、次に目覚めた時はこのカーディアンは君のことも覚えていないだろう。まったく新しいカーディアンとして生まれ変わるんだ。
Panta-Putta : そ、そんな……。でも、それでもいいっ!トゥーが生きていてくれればボクのことなんて覚えててくれなくたっていい!
Monberaux :……。
Panta-Putta : トゥー、いなくなっちゃいやだよ……。ボク、お前に謝らなくちゃならないのに。
Monberaux : あとは彼に任せよう。君は無事を祈ってなさい。それが君が今出来るたったひとつのことさ。
Panta-Putta : う、うん……。 きっと、また、一緒におつかい行けるよね、トゥー。約束だよ……。

ようやく自分が行った事の重大さに気づいたPanta-Putta 。記憶は無くても大事な存在は変わらない。その思いを冒険者に託すことにした。

冒険者は、トゥーの体をウィンダス・手の院まで運んだ。カーディアンのエキスパート・Apururuにトゥーを診て貰うためだった。


Apururu: カーディアンの心……魔導球は、まだ輝きを放っている……。これは、ただの魔力切れじゃないわ。その子の心が、壊れてしまったのよ。カーディアンは、魔法で作られた人形だけれど、人の想いを感じる力は、私たち人と同じよ。想いは、人から人へと伝わるもの。カーディアンもまた、たくさんの想いを得て、成長して……、時には壊れてしまう。
Apururu: しかも、このカーディアンは戦争中に作られたもの。きっと、辛い想いをたくさん感じ取ってきたのね。

戦時に生まれたトゥーを作ったのは彼女の父親Zonpa-Zippa である。別の人が作ったカーディアンに新たに魔法を施して再起動することになるらしい。その為の協力を冒険者にお願いする。とても危険を伴う作業であり、Apururu自身、トゥーとジュノで待つPanta-Putta の為に自らの命を賭して挑む仕事だった。……もっとも、心と記憶が回復するかは、人間と同じく、トゥー自身の気持ち次第であるが(モンブロー談)。


ずっとPanta-Putta は、その存在の大きさを改めて感じながらトゥーの帰りを待っていた。

Panta-Putta : トゥーがいなくなってなんだか家の中に大きな穴が空いちゃったみたいだよ……。何かうれしいことがあってももうトゥーには話せない。それに……、それにボク、トゥーに謝まらなけりゃならないことがたくさんあるのに。
Panta-Putta : グスッ……。でももう全部遅いんだよね。ボクがあんなこと言わなけりゃ……。


突然タルタル一家の扉が開いた。


Two of Swords : コンニチハ。ハジメマシテ。
Panta-Putta : !!トゥー、お前、治ったのかい!?
Two of Swords : アナタハダレデスカ?ドウシテワタシノナマエヲ シッテイルノデスカ?
Panta-Putta : ボクだよ、パンタプッタだよ!……やっぱり記憶はないのか。
Two of Swords : “パンタプッタ”……?ソノコトバヲキクト、トテモナツカシイ。ナニカトテモ、ナツカシイキガスル。

なんとなく引っかかったその名前に、トゥーの回路に眠っていた記憶がよみがえった。


Two of Swords : ……?ココハ?? ドコデスカ?
Panta-Putta : わっ、動いた!
Teigero-Bangero : ここはジュノの私の家だ。お前さんはある洞窟でずっと眠っていたのだよ。私が拾ってここへ連れてきたんだ。
Two of Swords : センソウハ ドウナッテマスカ?
Teigero-Bangero : やっぱり君は戦争の時から眠っていたのか。戦争はもうとっくの昔に終わってるよ。
Two of Swords : ……トイウコトハ、ワタシハモウヒトヲキズツケナクテイイノデスネ……。
Naruru : もちろんよ。あたしはあなたにうちのことをいろいろ手伝ってもらいたいわ。
Two of Swords : ワタシハココニイテイイノデスカ?
Teigero-Bangero : もちろんだとも、君さえよければ。


Panta-Putta : わぁ~い、ボクはパンタプッタだっ、よろしくな!
Two of Swords : 『パンタプッタ』……。 コチラコソ ヨロシクデス。

それは、戦争の間に彷徨い続け動きを停止したトゥーを拾い、直した日の出来事。彷徨った果てにトゥーがようやく見つけた「居場所」だったのだ。

Two of Swords : ……。『パンタプッタ』? イマナゼカ、ソノコトバガ アタマニウカンダ……。 『パンタプッタ』……。ソレハ、トテモアタタカイコトバ。シアワセナコトバ……。


Panta-Putta : トゥー!
Two of Swords : ? パンタプッタ、ナゼナイテイルノカ? トモダチニイジメラレタノカ?デモ……、アラソイハ イケマセンヨ。
Panta-Putta : うん、分かったよ、トゥー!ボク、もうケンカなんてしないから、もう出て行けなんて言わないから!!ずっと、ずっとここにいておくれ……。こんなに、こんなにうれしいことはないよ、グスッ……。
Two of Swords : パンタプッタ、ヘンデス。ウレシイトイッテイルノニナイテルナンテ……。
Panta-Putta : ヘヘッ、変でもいいさ。笑いたくても、涙が止まらないんだ……。これからもよろしくな、トゥー!
Two of Swords : モチロンデストモ。パンタプッタ、ヤッパリヘンデスネ。サテ、カイモノニデモデカケマスカ。


やさしいカカシ・その後


Panta-Putta : ボク、これからもきっとトゥーのやつとケンカすると思う。けど、もう二度とどっかへ行けなんていわない。それどころかずっとここにいてもらわなくちゃ。 だって、あいつは大切な、とっても大切な家族だから。


Two of Swords : パンタプッタ、ヒサシブリニイッショニイキマセンカ?



最終更新:2008年07月31日 12:35