Kocco Ehllek(詳細・ネタバレ編)


  • ミスラ♀、赤毛子ミスラグラフィック、ウィンダス水の区〔S〕南H-8
  • 傭兵の一員Rohn Ehlbalnaが拾った戦争孤児。
  • Rohn Ehlbalnaを「ママニャ」と慕っている。
  • しかし寂しいのか、悪戯を繰り返している。



『コッコちゃんと碧い石』(アルタナの神兵)

冒険者が水の区を訪れると、鼻の院前の子ミスラを見つける。

Kocco Ehllek : うくく!うれしいにゃ~。きれいな石なのにゃ~ 
Kocco Ehllek : ママニャにはまだないしょなの~。うくくく!
Kocco Ehllekがコソコソ嬉しそうにしている……。


明らかに悪巧みしている様子であるが、そこに「ママニャ」と思わしいミスラの傭兵が現れる。


Rohn Ehlbalna : あんた、またシャイリリさんのところで石を盗んだそうじゃないかっ!
Kocco Ehllek :……んにゃにゃっ!
Rohn Ehlbalna : まったく!何度叱られたらわかるんだい!よそさまの物を勝手に持ってくるんじゃないっていっつも口すっぱくして言ってるだろ!!そんな子に育ったなんて……ママニャ情けなくて涙でてくるよっ!


Kocco Ehllek : ……ああぁぁ ご、ごめんなさいにゃ~。

突然のママニャの登場に慌てるコッコ。どうやらお店から石を盗んだらしい。ここは教育の為にも母親の出番である。



ママニャWS「お尻ペんぺん」発動中。


コッコはこっぴどく怒られた。あまりの出来事のせいか、店から石を盗られたShaiririも同情的になる。

Shairiri : コッコちゃん。うちのお店から石を持ってっちゃうんだけどちょっと悪戯が過ぎただけだと思うの……。たぶん、お母さんがお仕事で忙しいからかまってもらえなくて淋しかったのよ。ねぇ?
Rohn Ehlbalna : 悪い子はギデアスに放り込んで、ヤグードの餌にしちまうからねっ!
Kocco Ehllek : いやにゃぁぁぁ~!う、うぅぅぅわあぁぁぁ~~ん!……うっ、うぅぅっ。
Shairiri : 行って、お母さんにそう伝えてあげてくれない?私はコッコちゃんを慰めてるから……

Shaiririがコッコを見守っている間に、冒険者は母親・Rohn Ehlbalnaの様子を見に行くことにした。


Rohn Ehlbalnaは現在ミスラ傭兵団に所属している戦士だった。戦場でコッコを見つけて、娘として育てることにしたと語りだす。現在も傭兵として働いている以上、常にコッコのそばにいれる訳でもない、でも彼女がいなくなればコッコは身寄りも居ないから一人ぼっちになってしまう。そう思うとコッコのためにも厳しくしてしまう、というのが本音みたいだ。

Rohn Ehlbalna :……ハァ。しかし、あの様子じゃ心もとなくって安心して戦場にいけないよ。……そうだ、あんた。なかなか腕が立ちそうだし、世の中のことも見てきた風だね。もしよかったら、あの子にぴしっと、世間の厳しさってもんを教えてやってくれない?
Rohn Ehlbalna : あの子にぴしっと世間の厳しさってもんを教えてやっておくれよ。


一方、コッコは泣き止まないようでShaiririは困っていた。理由をきくと、どうしても青い石が必要だという。

Kocco Ehllek :……ミスラ、の……ふ、るさとの……海、みたい、なぴかぴかの、きれいな青い石ころ……。


何か事情があると察知したShaiririだが、流石に店の物をあげるわけにもいかない。とりあえず青い石が手に入ったらもう盗まない、と約束したコッコとShairiri。冒険者に、もしブンガール浦に立ち寄ったら、そのような石があるか探して欲しい、もし見つかったらコッコの為にも持ち帰ってきて欲しいと二人で頼んだ。


無事に青い石を見つけた冒険者は水の国戻ってきた。大喜びのコッコは、その石についてShaiririに相談を始めた。「明日には…」その言葉をつぶやきながら。


そして翌日、Shaiririは約束をしていた物が出来たとコッコに報告。これでコッコの願いを叶えるものは揃った。


そこにRohn Ehlbalnaが現れる。Shaiririに迷惑を掛けてないか問う彼女に、Shaiririの応援を受け、コッコはそれを差し出した。


Kocco Ehllek : ママニャ、これ……
Rohn Ehlbalna : ん? これは双子石のピアス……?いや、似てるけど石が違うみたいだ。これはいったい……?


Kocco Ehllek :……ママニャ、いっつも危ないところにいくからおまもり、つくったにゃ……
Rohn Ehlbalna : えぇっ!?
Kocco Ehllek : シャイリリさんとこのおにぃさん(おねぃさん)にてつだってもらって……双子石のマネしてつくったけどでも、あんまりキレイにできなかったにゃ……にゃー、いい子にして待ってるにゃ。もう怒られないようにする……だから、いつもかならず、かえってきて……。

コッコは、このお守りの「青い石のピアス」をママニャのRohn Ehlbalnaに贈る為に石を欲していたのだ。冒険者に石をもらい、Shaiririに石をピアスに加工して貰い、皆の想いがそのピアスとなってコッコからRohn Ehlbalnaへのプレゼントとして手元で輝いてた。


そんな娘の想いを知ったRohn Ehlbalnaは…

コッコの頭をわしゃわしゃと撫で

精一杯抱きしめた。


その光景を冒険者と眺めて、Shaiririは安堵した。

Shairiri : ミスラ族はピアスをお守りにして無事を祈るのね。ステキね~。


クエスト「コッコちゃんと碧い石」に見る母子の絆
「コッコのピアス」のモデルとなったのは「双子石のピアス」。まずはミスラ族において双子石のピアスの重要性を説明しようと思う。

「双子石」とは、元々同じ石だった2つの石はぴたりと合うが、まったく別の石だったものは絶対に合わないという性質を持つ石である。
子供が物心つく前に実母から離され、里親へと引き取られて育てられるミスラ族の間では、親子の絆としてこの石で作られた「双子石のピアス」を分つ習慣がある。(双子石のピアス/FF11用語辞典出典。)

本来はクエスト「双子石の絆」のクリアに必要なものであり、メリファトにいるHill Lizardのドロップ品。もちろん、Hill Lizardが持っているものをミスラ達がかっぱらってる訳ではなく、この場合はミスラがなくしたものをHill Lizardが手に入れ、それをプレイヤーが手に入れる形になっている。現代のミスラたちから見たら、20年前にあの地で倒れたミスラの勇士たちのものなのである。クエストでは最後に、こう語られている。

Wani Casdohry:……この特性を利用して、私たちの故郷では、よく、絆の証に使われるの。

この双子石のピアスは、狩人関連AFの方でも重要な役割を担っている。このクエストでは、失踪したミスラの母子が話の軸にあり、セミ・ラフィーナ達やプレイヤーがその足取りを追うもとであり、遺体では判別出来ないミスラや、正体を偽っている者の身分を証明するものとして登場し、性質を利用してミスラ達の間では身分証明のように利用されている事も分かる。更に母親から娘に渡すもの、としても描かれている。


これらをふまえてコッコのピアスを改めて見てみると、幼いコッコに「双子石のピアス」の重要性をすべて理解しているとは思えない。本来は娘へ母親から授けるものであり、特殊な石を用いて作り出すものだからだ。更にいうと、Rohn Ehlbalnaとコッコのように血の繋がらない母子でも適用する伝統なのか定かではない。しかしコッコはおそらく「大事な人にあげるもの」としての認識はあり、だからこそRohn Ehlbalnaにお守りとして渡したのではないだろうか。少なくとも、絆の証として十分に「双子石のピアス」に匹敵する想いが詰まっているのは確かだろう。

そして興味深いのは、Rohn Ehlbalnaと話をしたときに彼女が漏らす母親としての不安である。本来ミスラ族とは、女性が狩りをし生計を立てている種族である。育児などの描写はないが、ウィンダスのミスラを見ていると、女性同士皆で面倒を見合ってるようだ。そして冒険者ではなくても常に戦場に居たり街を守る仕事に就いている彼女達にとっては死はとても身近なものである。母子としての絆はもちろんあるが、いつ倒れるか分からない彼女達にとって、育児は一人が負担するには酷なのかもしれない。また、このクエストが設定されているのはクリスタル大戦の最中。Rohn Ehlbalnaの心配は最もである。
そして彼女の姿は、現代の現実社会において増えつつあるシングルマザーと重なって見えるのは気のせいじゃないかもしれない。彼女達もまた、育児と仕事という戦場で戦っているのだから。



最終更新:2008年05月11日 17:31