Tinga-Matonga(詳細・ネタバレ編)


  • タルタル♂、2a(茶髪)、通常配置無し
  • アルザビにいた戦争孤児。
  • 冒険者のAlcanderに拾われ、以後養子として育てられている。
  • 現在はアルザビで窃盗を繰り返している。


身寄りを失い、ひとりぼっちで居るところをAlcanderに助けられた。最近になって、いたずらばかりしては親代わりであるアルカンダーやアルザビの町民を困らせてばかりいる。
町民の言動から察するとおり、いたずらというには尋常ではなくほとんど窃盗のレベルである。しかし、換金するという訳でもなく、クエストのイベントでもお店の商品を盗み出した後で、海にほうり投げる行動を取っていた。

とんでもない悪ガキではあるが、実はいたずらの目的はアAlcanderを想うがゆえであった。


「トリックスターの描く夢」


訪れた冒険者と錬金術の話を始めたAhaadahの元にAlcanderとティンガがやってきた。話を聞く限り、AlcanderAhaadahに頼んでティンガを錬金術ギルドに入れたいらしいのだが、Ahaadahの話だとティンガはギルドの薬を盗み出して悪さを続けて困っているらしい。そして当のティンガは錬金術なんて習う気はさらさらなく、薬を盗んだことに対しても悪びれた態度すら見せない。

Ahaadah : おいぼうず、おまえうちの薬草やビン、どこにやっちまったんだ?
Tinga-Matonga : けちけちすんなよ。あんなのただのガラクタじゃないか。
Alcander : こら、ティンガ!おまえいい加減にしろ!
Tinga-Matonga : うるっせえ!大体なんでオレが働かなきゃならないんだよ!てめえが働け!
Alcander :……私はいつまでもおまえの面倒は見られない。分かるだろう?
Tinga-Matonga : そんなの知ったことか!とっととくたばれ、くそオヤジ!

そういってその場からティンガは走り去ってしまった。冒険者に気付き、照れ臭そうに状況を説明するAlcander


Alcander : あんた見たところ冒険者だね。私も以前は剣を片手に方々を旅していたよ。アルザビに来てすぐ、あの子、ティンガに出会った。 両親を亡くし、独りぼっちになってしまった子だった。私はあの子の引き取り先を探したのだが……あの子を歓迎してくれる人はいなかった。仕方なくしばらくは自分が預かることにしたんだが……一緒にいると情が移ってしまうものだな。
Alcander : 私は、あの子をおいて再び旅に出ようとは考えられなくなった。このまま傭兵として働き、あの子を育てていこう。そう思っていたんだが……。しばらくして、私は自分が病に侵され、剣を振るえなくなっているのに気づいた。……医者には、もう長くないと言われたよ。死ぬ前に、せめて何か、仕事に就かせてやりたいんだが。
Alcander : ま、結果は今見た通りさ。あの子は働こうとせず、悪さばかりしている。でも本当は、とても純粋で、素直な子なんだ。
Alcander : なあどうだろう、あんた?元同業者の頼みを聞いてくれないか?あの子が改心するよう説得してほしいんだ。


横で同じく事情を聞いていたAhaadahは、Alcanderに協力を申し出る。そして冒険者と協力し、彼が錬金術師なのを利用して、ティンガ捕獲のための罠を張ることにした。

アトルガンの港で、初対面を装い冒険者の所に歩み寄るAhaadah。二人は商談をでっちあげてティンガを釣るつもりだった。


そして希望通り、ティンガは上から状況をうかがっていた。


あえて持ってきたエリクサーを樽の上に置いて「別の商品」を見ると離れる二人。その隙にエリクサーを盗むティンガ。


罠だと知り、逃げ出すティンガを追う二人は二階のバルコニーにティンガを追い詰めた。

Ahaadah : フフフフ……追い詰めたぜ。
Tinga-Matonga : もう何なのあんたら?もしかしてオレのファン!?
Ahaadah : くだらんこと言ってないで、今盗った物を返すんだ。
Tinga-Matonga : 盗ってないです~。拾ったんです~。

この状況でもシラを切りとぼけるティンガ。そのまま挑発するようにエリクサーをバルコニーから海へと投げ捨てた。更に他の店から奪ったものを次々と取り出し、同様に海へ……。そこへ更に街の人々が押しかける。


Ahaadah : おまえ……
Tinga-Matonga : 何か言いたそうだな?安心しろよ。あの中にあんたの店のもんはないぜ。
Ratihb : もう許せん!!子どもだからと大目に見ていたが……。
Imeeya : もう許せないわ!!
Yazweel : 我輩の高級絨毯を返せ!
Tinga-Matonga : そんなわめくなよ。大の大人が。
Ratihb : 何を言ってるんだ!こう何枚も食器を割られちゃ商売にならん!
Imeeya : 以前うちの服全部に穴開けたのも、あんたでしょ!?
Yazweel : 我輩の絨毯!!

次々に怒りを露にする店員たち。皆、ティンガが店から物を盗まれ、同様に商品をダメにされた人たちだった。


Alcander : どうしたんです、みなさん。
騒ぎを聞いて現れたのはAlcanderだった。Ahaadahの説明で状況を理解したAlcanderはティンガを問いただす。


Alcander :……本当か?ティンガ。
Tinga-Matonga :……。だったら何だってんだよ。
Alcander : 本当なら、みなさんに謝ってちゃんとお返ししなければいけないよ。
Ratihb : だから!もう使い物にならんのだよ!
Yazweel : もう返ってこんのじゃあ~~~!
Imeeya : 案外あんたがこの子をけしかけているんじゃないの?
Alcander : そんな……! 私は……


店員たちの怒りの矛先はAlcanderに向けられた。病を理由に子供に窃盗をさせているのではないかと。よそ者は信用出来ない、そう口を揃えて言う彼らに、Alcanderは静かに街を出て行く事でこの場が収まるなら従う、と言った。しかし幼いティンガは街に居させて欲しいと。そしてティンガに向き合った。


Alcander : ティンガ……。
Tinga-Matonga :…………。
Alcander : ティンガ、私はおまえと出会えて、本当に良かった。
Tinga-Matonga : うるせえ。とっとと行っちまえ。
Alcander : こんな形で別れるのが残念だ。最後まで、おまえの力になりたかっ……
Tinga-Matonga : うるせえっつってんだろ!!オレはあんたと会ってから、ホント最悪だったよ。
Alcander :…………。
Tinga-Matonga : あんたとで出会わなきゃもっと金持ちの家に引き取られたかもしれないしな。ホントにさっさといなくなりゃあいいのにって思ってたよ!でもこれでせいせいしたぜ。予定よりも早くあんたと別れられるんだからな。
Alcander :……そうか。すまなかったな。

ひどい言葉を浴びせ続けるティンガ。Alcanderは冒険者とAhaadahに助けようとしてくれた事に礼を述べ、また店員達に詫び、街を出て行った。ティンガは、そっぽを向いてままだった。

残った店員達はやりきれない怒りをもてあますかのように、Alcanderの悪口を続けた。子供を厄介払いし、残された子供も彼のせいで性格がねじれて引き取る人もいないのではないか、と。そこで声を荒げたのが、ティンガだった。


Tinga-Matonga : うるせえっ!! おっちゃんは悪くない!!悪いのはオレだろ?
Tinga-Matonga : 1人ぼっちだったオレの面倒を見てくれたのは誰だよ?あんたらか!? 違うだろ? オレの面倒見てくれたのはおっちゃんだけだったよ!!
Ratihb : 何を、この……っ!
Ahaadah : おいぼうず。どういうことだ?おまえあの人が嫌いなんじゃなかったのか?


ティンガの態度の変化に気付き、優しく問いかけるAhaadah

Tinga-Matonga :……大好きだよぉ……。
Ahaadah : 大好きなら、何であの人の立場を悪くするようなことばかりしたんだ?一緒にいられなくなるぞ。
Tinga-Matonga : 一緒にいたいからやったんだよ……。おっちゃんもうすぐ病気で死んじゃうんだよ。だからオレ……。


ある日タルタルの友達に「おばけは憎くて堪らない相手の所に化けて出てくる」という話を聞いたティンガ。

Tinga-Matonga : オレ、おっちゃんに会いたくてオレのことが憎かったら、化けて出てきてくれるんじゃないかって……。憎まれてでも、会いたかったんだ……。
Ahaadah : そうか……。つらかったんだなぁ……。でもな、ティンガ。それじゃあ自分のことしか考えてないぞ。あの人はずっとおまえのこと、憎んで苦しまなくちゃならなくなるぞ。もしかしたらおまえが死んだあともずっと……。 それでもいいのか?


不意にAlcanderとの出会いを思い出すティンガ。孤児となったティンガにやさしくしてくれたのは、彼だけだったのだ。

Alcander : どうしたんだ、ぼうず? よしよし、何があったか知らんが、心配するな。私もさっきまでは1人だったがおまえと出会って2人になった。2人なら心強い。そうだろう?


Tinga-Matonga :……いやだ。おっちゃん……!
Ahaadah : ああバカ!!1人じゃ危ないぞ!

思わずAlcanderの後を追いかけて街の外へと飛び出すティンガ。二人の安全の為に冒険者は二人を追うことになった。


そして予想通り、Alcanderは街の外で襲われてしまっていたのだ。体力を奪う寄生虫・チゴー。体の自由が利かないAlcanderはじっとその攻撃に耐えるしかなかった。

冒険者が丁度駆けつけ、Alcanderは助かった。だが、彼はもう生きる気力を失っていたようだ。


Alcander : あんたは、さっきの……。もういいんだ。私は……。ありがとう……あんたには助けられてばかりだ。だが果たして助かって良かったのか……。私はもう……
Tinga-Matonga : ありがとう。おっちゃんを助けてくれて……
Alcander : ティンガ……?

そこに立っていたのは追いついたティンガだった。


Tinga-Matonga : オレ、何か違うって思ってた。おっちゃんに会いに来てほしいばっかりに悪さばっかしてるオレも、オレをギルドに入れようとするおっちゃんも。
Alcander :…………。
Tinga-Matonga : 嫌だったんだ!死んだあとのことばっかり考えるの。おっちゃんもおっちゃんだよ。自分が死んだ後の心配ばっかすんなよ!生きること考えてよ。オレのそばにいてよ……。

本音をはじめてぶつけたティンガ。それに対してAlcanderも自分の中に秘めていた思いを吐き出す。今まで剣しか手にしてなかった彼にとって、病で剣を握れない現状が怖くてたまらなかった。しかし、彼にはもっと大事なものが傍にある。そう思い出したのだった。

Alcander : なあ、ティンガ。私はずいぶんおまえにおこがましいことを言ったな。お前を救いたいだなんて……。だけど違った。ティンガ……。おまえが、私を救ってくれたんだ。
Alcander : そうだな。私はまだ何もしていない。
Alcander : 諦めずに道を探そう。世界のどこかに、この病を治す術があるかもしれない……。


新たな結論に達した二人は、冒険者に見送られながらAlcanderの病を治す術を求めて一緒に旅に出ることにした。


最終更新:2008年02月04日 03:53