Phillone(詳細・ネタバレ編)
- エルヴァーン♀、1b(赤毛)、南サンドリア民家D-7
- 家族構成:夫(Roido)、義弟(Millechairale)
- バストゥーク出身。先祖はサンドリア人。
- バストゥークの男性と結婚し、弟と共に南サンドリアにに引っ越した。
その笑顔の裏に隠された物とは…。
特記事項
- 歴史上の英雄ヴィジャルタール・カフューの子孫。姪もカフュー(Caphieux)。
- 生まれてから一昨年まで、バストゥークで弟と暮らしていた。
- 結婚後、バストゥークから亡命。
- サンドリアの引越し先は奇しくも先祖の家だった。
変わり行く価値観・現在の愛の形
ある日、冒険者と町の守衛兵が近日起きた王錫盗難事件について立ち話したら彼女が声を掛けてきた。犯人は捕まったのか、その安否を気にする彼女はすぐさま夫の
Roidoに連れ帰される。彼女が気になり、犯人の情報を持っていた冒険者はその後彼女の家を訪れ、犯人は無事だと伝える。そこで思わぬ訪問者が訪れる。彼女を「ナフュ」と呼び、奥へと進もうとする来訪者。
Phillone:ちょっと! あなた誰ですか?失礼ですよ、勝手に人の家に入るなんて!
Vijartal:は?な、何言っておるナフュ。
Phillone:ナフュ? 私の名前はフィヨンです!
Vijartal:お前まで悪ふざけはやめてくれ、ここは私の家ではないか。それに我々は恋人同士であろう?
Phillone:こ、恋人同士!?何を言ってるんですか! 帰ってください!神殿騎士団に通報しますよ!
Roido:フィヨン? どうしたんだい、そんなに血相を変えて?
突然入ってきた夫
Roidoに驚く来訪者。彼はまぎれもなくヒュームであり、バストゥーク人だったからだ。一方的に差別し批判し、去っていった。残されたフィヨンと
Roidoは唖然とするばかり。この時、これが運命の出会いだったとは二人は気づかなかった。何より、もっと重要な問題が起きていたからだ。
王錫盗難事件の犯人は彼女の弟のミルシェラールだった。盗んだのは事実だが弟は盗賊でも悪人でもないと訴える彼女。気持ちは分かるが、盗んだ以上は罪であり、騎士団に追われる身である。彼女と義兄にあたる
Roidoに被害が及ばないように、ミルシェラールは王錫と共に姿を消したという。二人に彼を助けてほしいと頼まれる冒険者。事の真相を確かめるべく動いていく事になる。
成り行きで
Roidoと冒険者、そして先日の謎の来訪者・
Vijartalが協力することになった。しかしバストゥーク人である
Roidoへの差別・不信感は決して解こうとしない。なんとか三人で、ミルシェラールをジャグナーで見つけることは出来たが、やはり王錫の件でまだ戻れる状況ではないと逃げてしまう。義弟を追うために二人に家に戻って待ってて欲しいと言う
Roidoに、命令は受けないと突っぱねる
Vijartal。ずっと我慢し続けていた
Roidoは啖呵を切ってミルシェラールを追った。
Vijartal:……断る。
Roido:え?
Vijartal:なんでバストゥーク人の頼みを、この私が聞かなきゃならんのだ!
Phillone:ちょっとあなた!まだそんなことを……
Roido:ヴィジャルタールさんどうしてバストゥーク人をそんなに?
静かに皆が聞く中で、搾り出すように
Vijartalは語りだした。200年前、サンドリアとバストゥークは激戦の中にいた。父と兄は、バストゥークと戦い、二人とも亡くなった、と。現在「歴史」となった彼の「現在」、その史上に出ている自分をどうしても信じられない彼の苦悩もにじみ出た。
Vijartal:両国の和平を願っていただと!?そんなのデタラメに決まっている!私は……いやヴィジャルタール・カフューは、バストゥークなんていっそのこと……
Phillone:それはバストゥーク人も同じでしょ!
Vijartal:え……?
Phillone:あなたも知ってるわよね?ほんの数十年前までは、我が国とバストゥークは、領土、資源、信仰、様々なものをめぐって争いを繰り返してきたわ。友人、家族、恋人、その度に、みんな大切な人々を失っていった。サンドリア人も、バストゥーク人も……。
Vijartal:……。
Phillone:おかしいと思わない?互いに憎しみあい、殺しあうなんて。同じアルタナの民同士だというのに……。本当に憎むべきものは戦争よ。戦火に巻き込まれた人々じゃない。人間や国同士の戦いがない今のこの世の中を、私は心の底からありがたく思ってるの。
Vijartal:……。
歴史上の英雄に説教をかます若妻。
そして静かに弟の救出の作戦を話し合う夫婦を見ながら、
Vijartalは恋人のナフュの面影を彼女に重ねていた。同じ事を彼女からも言われた、と話した彼は気持ちの整理をするために出て行った。
結局、
Vijartalは姿を消し、ミルシェラールはつかまってしまった。後悔と悲しみに沈む家に入ってきたのは、なんとミルシェラールと
Halverだった。王家書庫に保管されていたヴィジャルタール・カフューの遺言書にこう、書き記されていたという。
Halver:それによると、ミルシェラール・カフューと申す者が王錫を盗むが、彼とその逃亡に加担した者たちをヴィジャルタール・カフューの名の下に無罪としてほしい……彼らは、我が国とバストゥークの友好を保ち、サンドリアの未来を担う者となるであろう、と。
Halverの言葉に驚いたフィヨンは、代々カフュー家はバストゥークで暮していた、と明かす。歴史に名を残したヴィジャルタール・カフューのその後は史上に書かれているが、墓は見つかっていないという。歴史の途絶えたその先でバストゥークにたどり着いていてもおかしくはない。
Roido:ああ、そうさ。また3人で静かに暮らそう。ヴィジャルタールの家があったこの場所で……。
Phillone:……うん。
先祖との約束や過去の家柄国柄に拘らず、彼女が守った大事な場所
余談だが、ヴァナ・ディールのNPCで夫婦はもちろん存在する。種族を超えた恋人達や、多種族の異性に片思いしてるNPCも多く見受けられる。しかしこの
Roidoとフィヨンのような、異種族の夫婦というのは実は少ない。そして弟ミルシェラールも含めた三人の絆は、このクエストを通して感じられる。この家庭こそ、現代の「ヴァナ・ディール」の象徴なのかもしれない。
最終更新:2008年01月24日 20:31