3章 重箱とライバルとサブマシンガンと
「せんぱーい、一緒にお昼食べましょー」
昼休み、購買に行こうとすると、柚花がやって来た。
「ちょっと待て、今購買で買ってくるから――」
「あ、大丈夫ですよ、先輩の分もお弁当用意してますから」
「本当か?」
「はいっ!」
「あれっ、でもお前、今日は鞄以外持ってきてないんじゃ……」
「大丈夫です、ちゃんと鞄の中に入れてきましたから」
……柚花、その学生鞄に、どうやったら教科書と拳銃と弁当が入るんだ……?
っと、そういった疑問はとりあえず口に出さないでおく。
「それじゃあ行きましょ」
そう言って、柚花は俺の腕を引っ張った。
「お、おい、どこに行くんだ?」
すると、振り返った柚花はニッコリと笑って言った。
「とっても見晴らしのいい場所です!」
昼休み、購買に行こうとすると、柚花がやって来た。
「ちょっと待て、今購買で買ってくるから――」
「あ、大丈夫ですよ、先輩の分もお弁当用意してますから」
「本当か?」
「はいっ!」
「あれっ、でもお前、今日は鞄以外持ってきてないんじゃ……」
「大丈夫です、ちゃんと鞄の中に入れてきましたから」
……柚花、その学生鞄に、どうやったら教科書と拳銃と弁当が入るんだ……?
っと、そういった疑問はとりあえず口に出さないでおく。
「それじゃあ行きましょ」
そう言って、柚花は俺の腕を引っ張った。
「お、おい、どこに行くんだ?」
すると、振り返った柚花はニッコリと笑って言った。
「とっても見晴らしのいい場所です!」
「まあ、確かに見晴らしはいいわな……」
柚花が連れてきた場所は、校舎の屋上だった。
「それじゃあ準備しますね」
柚花はそう言いつつ、鞄からブルーシートと重箱大の弁当箱を取り出した……って重箱大!?どうやったらあの鞄に重箱が入るんだ!?
「ささ、先輩座ってください」
「あ、ああ……」
柚花がシートに座って手招きするので、とりあえず疑問は置いておいて座った。
「今日は先輩のために色々用意しちゃいました♪」
「へぇ……」
そこまで言われて、俺も少し期待してきた。
「じゃーん!」
柚花は思い切り、重箱の蓋を取った。
「うわっ」
重箱の中は、店で売ってるようなおせち料理並みの品ばかりだった。
「まず、1の段にはフォアグラのテリーヌにキャビアのブルスケッタ、2の段には伊勢海老と鮪の造り、3の段にはトリュフのキッシュにローストビーフです」
「……」
俺は絶句した。別に嫌いなものばっかだったからじゃない。あまりにも豪華すぎて、言葉を失ってしまったのだ。
というか、どう考えてもおせち料理だろ。いや、おせちでもこんな豪勢じゃない。少なくとも、広瀬家ではこんな料理は出てこない。金銭的関係で。
「さ、遠慮せず食べてください」
「そ、それじゃあ、いただきます」
おっかなびっくりしながらも、箸を(西洋料理なのに箸でいいんだろうか?)使って一口食べた。
「どうですか?」
「う、うまい……」
いや、食材からして不味いはずはないんだが、それを引いてもうまかった。
「よかったー、今朝早起きした甲斐がありましたー」
「えっ、これ柚花が作ったのか!?」
俺は正直驚いた。てっきりどこかで買ってきたものかと思っていた。
「そうですよ、3時間も早起きして作ったんですから」
「うわぁ……」
そう言われると、嬉しいやら恥ずかしいやらで胸がいっぱいになった。
「それにしても、今朝は大変でしたね」
不意に、柚花が話を持ち出した。
「あれは大変程度で済むのか……?」
今朝のことを思い出し、今食ったものの味も忘れて、俺はまたグッタリになった。
柚花が連れてきた場所は、校舎の屋上だった。
「それじゃあ準備しますね」
柚花はそう言いつつ、鞄からブルーシートと重箱大の弁当箱を取り出した……って重箱大!?どうやったらあの鞄に重箱が入るんだ!?
「ささ、先輩座ってください」
「あ、ああ……」
柚花がシートに座って手招きするので、とりあえず疑問は置いておいて座った。
「今日は先輩のために色々用意しちゃいました♪」
「へぇ……」
そこまで言われて、俺も少し期待してきた。
「じゃーん!」
柚花は思い切り、重箱の蓋を取った。
「うわっ」
重箱の中は、店で売ってるようなおせち料理並みの品ばかりだった。
「まず、1の段にはフォアグラのテリーヌにキャビアのブルスケッタ、2の段には伊勢海老と鮪の造り、3の段にはトリュフのキッシュにローストビーフです」
「……」
俺は絶句した。別に嫌いなものばっかだったからじゃない。あまりにも豪華すぎて、言葉を失ってしまったのだ。
というか、どう考えてもおせち料理だろ。いや、おせちでもこんな豪勢じゃない。少なくとも、広瀬家ではこんな料理は出てこない。金銭的関係で。
「さ、遠慮せず食べてください」
「そ、それじゃあ、いただきます」
おっかなびっくりしながらも、箸を(西洋料理なのに箸でいいんだろうか?)使って一口食べた。
「どうですか?」
「う、うまい……」
いや、食材からして不味いはずはないんだが、それを引いてもうまかった。
「よかったー、今朝早起きした甲斐がありましたー」
「えっ、これ柚花が作ったのか!?」
俺は正直驚いた。てっきりどこかで買ってきたものかと思っていた。
「そうですよ、3時間も早起きして作ったんですから」
「うわぁ……」
そう言われると、嬉しいやら恥ずかしいやらで胸がいっぱいになった。
「それにしても、今朝は大変でしたね」
不意に、柚花が話を持ち出した。
「あれは大変程度で済むのか……?」
今朝のことを思い出し、今食ったものの味も忘れて、俺はまたグッタリになった。
……遅刻5分前……
「先輩、学園上空に着きましたよ!」
「お、おう……」
プロペラ音に消えないよう柚花が叫ぶが、俺には返事をする体力すらなかった。
既にもう、俺はその時からグッタリしていた。今まで乗ったことのないヘリに乗って、完全に酔っていた。
「先輩、着陸する時間がありませんから、これを使います!」
そう言って、柚花は俺にロープの一端を手渡した。もう一端は兵室の手摺に固く結び付けられている。
「それと、これも着けてください!」
さらに分厚い皮手袋が手渡された。
「はっ?これでどうする――」
そう言いかけて、俺は嫌な予感がした。
「まさか……これで?」
「はい、ファストロープで降下します!」
ファストロープって、俺は『FOXHOUND』の隊員じゃねぇぞ!
「ちょっ、マジかよ……って、うおっ!」
風に煽られて踏み外したと理解した時には、既に俺の足は空中に浮いていた。。
「のわぁぁぁぁぁぁぁ……!」
そのまま俺は、地上10mの高さから急速落下していた。
「せんぱーい、そんなに急ぐと、本当に落ちちゃいますよぉ!」
はるか上空から、そんな柚花の声が聞こえてきた。
……遅すぎるっつーの……。
「お、おう……」
プロペラ音に消えないよう柚花が叫ぶが、俺には返事をする体力すらなかった。
既にもう、俺はその時からグッタリしていた。今まで乗ったことのないヘリに乗って、完全に酔っていた。
「先輩、着陸する時間がありませんから、これを使います!」
そう言って、柚花は俺にロープの一端を手渡した。もう一端は兵室の手摺に固く結び付けられている。
「それと、これも着けてください!」
さらに分厚い皮手袋が手渡された。
「はっ?これでどうする――」
そう言いかけて、俺は嫌な予感がした。
「まさか……これで?」
「はい、ファストロープで降下します!」
ファストロープって、俺は『FOXHOUND』の隊員じゃねぇぞ!
「ちょっ、マジかよ……って、うおっ!」
風に煽られて踏み外したと理解した時には、既に俺の足は空中に浮いていた。。
「のわぁぁぁぁぁぁぁ……!」
そのまま俺は、地上10mの高さから急速落下していた。
「せんぱーい、そんなに急ぐと、本当に落ちちゃいますよぉ!」
はるか上空から、そんな柚花の声が聞こえてきた。
……遅すぎるっつーの……。
「それにしても先輩、あれだけ早く降下できる技術があるなら、どこかの軍隊に仕官できますよ」
「いらねぇ……そんな技術」
確かに柚花、お前の言う通りだよ。今まで普通の学生やってて、いきなり10mの高さから落ちて死ななきゃすげぇよ。
俺は思い出したかのように空を見上げた。すると
バララララララ……!
「なっ!」
俺は唖然とした。
ちょうど俺達の真上に、ヘリコプターがホバリングしていた。今朝のハインドDのように武装はしていないが、明らかに民間機じゃない。
「カサッカ!?」
隣で柚花も立ち上がった。
「カサッカ?」
「ロシア・カモフ設計局の輸送ヘリです」
とか言ってる間に、そのカサッカからロープが垂れてきた。
「まさか、ファストロープ!?」
驚いているうちに、ヘリから人が降下してきた。
「うわっ……」
降下してきたのは、野戦服を着てスカルキャップを被った奴等だった。おまけに、今朝柚花が見せた『AK74』を持っていたりもした。もちろん銃口はこっちに向いている。
……これは、あれですか?元GR○の大佐が指揮する部隊ですか?
「これは……やばい状況だよな……?」
「大丈夫です、先輩は私が守ります!」
そう言って、柚花は動いた。
ガンガンガンガンガンガンッ!
「なっ……!」
一瞬の出来事だった。
柚花は鞄からリボルバー拳銃を出したかと思うと、ものすごい早撃ちで武装した6人を撃ち抜いた。某共産国の特殊部隊もびっくりの早撃ちだった。
「おい、人殺しはまずいだろっ!」
というか、発砲自体まずいんだが……。
「平気です、全部模擬弾ですから」
「模擬弾?」
よく見ると、撃たれた奴等はどこも出血していなかった。
「さすがね、柚花」
「へっ?」
声のした上を見ると、この学園の制服を着た女子がファストロープで降下してきた。
「洋子さん!」
「知り合いなのか?」
「はい、『菊池財閥』の次期会長です」
「もしかして、2年F組の菊池か……?」
「そうです」
確かに、F組に金持ちの令嬢がいるとは聞いていたが……。
「で、こいつ等は……?」
「洋子さんの私兵です」
私兵?日本国内で、私兵?
「そう、そういうことよ」
降下してきた菊池洋子は、ごくごく普通の女子学生だった……マシンガンさえ持ってなければ。
「えっと……菊池さん……?」
「洋子で結構よ」
そう言って、洋子は俺に向かって微笑んだ。
「洋子さん、これは一体どういうことですか……?」
柚花は怪訝そうな顔で洋子を見た。
「ふふっ、柚花に彼氏が出来たって聞いたから、見に来たのよ」
「ななっ……!」
柚花の顔が真っ赤になった。
「先輩を見に来たって……洋子さん悪趣味ですよっ!」
トマトのように真っ赤になりながら、柚花は洋子に抗議した。
いや、悪趣味っつーか、そのためにわざわざヘリに乗って、屋上まで来たのかよ……。
「なーに赤くなってるのよ」
洋子はケラケラ笑うと、また俺に視線を移した。
「……へぇ」
「な、何か……?」
「……いい……」
「は?」
何がいいんだと聞く前に、洋子は俺の手を握り締めた。
「幸一、あたしと付き合って」
「ええっ!」
俺が驚くより先に、柚花が声を上げて驚いた。
「よ、洋子さんダメですよっ!先輩は私と付き合ってるんですから!」
「いいじゃないの、譲りなさいよ」
「絶対に先輩は渡しません!」
柚花がそう言うと、洋子はマシンガンの銃口を柚花に向けた……ってなんで!?
「なら、力づくで手に入れるわ」
パパパパパッ!
平気で洋子は柚花に向かって発砲した。
「っ!」
柚花はギリギリで銃弾を避けると、鞄から昨日とは別の拳銃を取り出した……って一体何挺入ってんだよっ!?
「さすがね、柚花。私の『スコーピオン』を避けるなんて」
「言ったはずです、先輩は渡さないと」
いつもと違う、柚花の声がした。
ガンッ!
今度は柚花が発砲した。しかし洋子も予想していたのだろう。いとも簡単に避けてしまった。
的を失った弾丸は、そのまま後ろのフェンスを粉砕した……って威力あり過ぎっ!
「ちょっと待て柚花!そんなの当たったら死んじまうだろっ!」
「先輩を狙う人は、洋子さんだろうと容赦しません……」
怖いくらい落ち着いた声で柚花は言った。
「お、おい……」
「私と先輩の仲を裂こうとするなら、この『デザートイーグル』で消し飛ばします」
「ふふっ、そうでなくっちゃ」
パパパパパパッ!
笑いながら、さらに洋子がマシンガンを撃ってきた。
ガンガンガンッ!
それを避けながら柚花も応射する。
「うわぁ……」
屋上は目も当てられない惨状になっていた。ここは本当に、治安大国日本なのかという状態だった。
つまり、分かりやすく説明すると
① 日本国内の、しかも学園の敷地内で銃声(数え切れないほど)
② 屋上の各所に銃弾が当たり、フェンスやタイルがボロボロ
③ さらに流れ弾でも飛んできたのか、校庭から悲鳴が
「……そろそろこっちもやばい……」
マジでやばかった。転がっていた奴等(洋子の私兵)を回収して安全なところに隠れていたが、二人があんまり移動しながら撃ち合うから、隠れる場所自体がなくなってしまった。
その時だった、飛び出した柚花に、洋子の銃口が向いた。
驚く柚花と、ニヤッと笑う洋子の顔を見て
「っ!」
俺は咄嗟に飛び出した。どうしてだか分からないが、気がついたらそうしていた。
飛び出した俺を中心に、柚花と、洋子の銃口が一直線に結ばさった。
パパパッ!
――まずはこめかみに痛みが走った。その後に銃声が聞こえた。聞こえたはいいが、そのまま俺は通り過ぎた銃弾に引っ張られるように、後ろ向きに倒れた。ついでに、洋子が驚愕した顔も見えた。
「先輩っ!」
柚花の悲鳴のような声も聞こえるが、返事が出来ない。というより、声が出なかった。おまけに、だんだん意識が薄らいできた。まるで死に際みたいな感じだ。
「(あ……やばいかな、俺……)」
そう思いつつも、そこで俺の意識は途切れた。
「いらねぇ……そんな技術」
確かに柚花、お前の言う通りだよ。今まで普通の学生やってて、いきなり10mの高さから落ちて死ななきゃすげぇよ。
俺は思い出したかのように空を見上げた。すると
バララララララ……!
「なっ!」
俺は唖然とした。
ちょうど俺達の真上に、ヘリコプターがホバリングしていた。今朝のハインドDのように武装はしていないが、明らかに民間機じゃない。
「カサッカ!?」
隣で柚花も立ち上がった。
「カサッカ?」
「ロシア・カモフ設計局の輸送ヘリです」
とか言ってる間に、そのカサッカからロープが垂れてきた。
「まさか、ファストロープ!?」
驚いているうちに、ヘリから人が降下してきた。
「うわっ……」
降下してきたのは、野戦服を着てスカルキャップを被った奴等だった。おまけに、今朝柚花が見せた『AK74』を持っていたりもした。もちろん銃口はこっちに向いている。
……これは、あれですか?元GR○の大佐が指揮する部隊ですか?
「これは……やばい状況だよな……?」
「大丈夫です、先輩は私が守ります!」
そう言って、柚花は動いた。
ガンガンガンガンガンガンッ!
「なっ……!」
一瞬の出来事だった。
柚花は鞄からリボルバー拳銃を出したかと思うと、ものすごい早撃ちで武装した6人を撃ち抜いた。某共産国の特殊部隊もびっくりの早撃ちだった。
「おい、人殺しはまずいだろっ!」
というか、発砲自体まずいんだが……。
「平気です、全部模擬弾ですから」
「模擬弾?」
よく見ると、撃たれた奴等はどこも出血していなかった。
「さすがね、柚花」
「へっ?」
声のした上を見ると、この学園の制服を着た女子がファストロープで降下してきた。
「洋子さん!」
「知り合いなのか?」
「はい、『菊池財閥』の次期会長です」
「もしかして、2年F組の菊池か……?」
「そうです」
確かに、F組に金持ちの令嬢がいるとは聞いていたが……。
「で、こいつ等は……?」
「洋子さんの私兵です」
私兵?日本国内で、私兵?
「そう、そういうことよ」
降下してきた菊池洋子は、ごくごく普通の女子学生だった……マシンガンさえ持ってなければ。
「えっと……菊池さん……?」
「洋子で結構よ」
そう言って、洋子は俺に向かって微笑んだ。
「洋子さん、これは一体どういうことですか……?」
柚花は怪訝そうな顔で洋子を見た。
「ふふっ、柚花に彼氏が出来たって聞いたから、見に来たのよ」
「ななっ……!」
柚花の顔が真っ赤になった。
「先輩を見に来たって……洋子さん悪趣味ですよっ!」
トマトのように真っ赤になりながら、柚花は洋子に抗議した。
いや、悪趣味っつーか、そのためにわざわざヘリに乗って、屋上まで来たのかよ……。
「なーに赤くなってるのよ」
洋子はケラケラ笑うと、また俺に視線を移した。
「……へぇ」
「な、何か……?」
「……いい……」
「は?」
何がいいんだと聞く前に、洋子は俺の手を握り締めた。
「幸一、あたしと付き合って」
「ええっ!」
俺が驚くより先に、柚花が声を上げて驚いた。
「よ、洋子さんダメですよっ!先輩は私と付き合ってるんですから!」
「いいじゃないの、譲りなさいよ」
「絶対に先輩は渡しません!」
柚花がそう言うと、洋子はマシンガンの銃口を柚花に向けた……ってなんで!?
「なら、力づくで手に入れるわ」
パパパパパッ!
平気で洋子は柚花に向かって発砲した。
「っ!」
柚花はギリギリで銃弾を避けると、鞄から昨日とは別の拳銃を取り出した……って一体何挺入ってんだよっ!?
「さすがね、柚花。私の『スコーピオン』を避けるなんて」
「言ったはずです、先輩は渡さないと」
いつもと違う、柚花の声がした。
ガンッ!
今度は柚花が発砲した。しかし洋子も予想していたのだろう。いとも簡単に避けてしまった。
的を失った弾丸は、そのまま後ろのフェンスを粉砕した……って威力あり過ぎっ!
「ちょっと待て柚花!そんなの当たったら死んじまうだろっ!」
「先輩を狙う人は、洋子さんだろうと容赦しません……」
怖いくらい落ち着いた声で柚花は言った。
「お、おい……」
「私と先輩の仲を裂こうとするなら、この『デザートイーグル』で消し飛ばします」
「ふふっ、そうでなくっちゃ」
パパパパパパッ!
笑いながら、さらに洋子がマシンガンを撃ってきた。
ガンガンガンッ!
それを避けながら柚花も応射する。
「うわぁ……」
屋上は目も当てられない惨状になっていた。ここは本当に、治安大国日本なのかという状態だった。
つまり、分かりやすく説明すると
① 日本国内の、しかも学園の敷地内で銃声(数え切れないほど)
② 屋上の各所に銃弾が当たり、フェンスやタイルがボロボロ
③ さらに流れ弾でも飛んできたのか、校庭から悲鳴が
「……そろそろこっちもやばい……」
マジでやばかった。転がっていた奴等(洋子の私兵)を回収して安全なところに隠れていたが、二人があんまり移動しながら撃ち合うから、隠れる場所自体がなくなってしまった。
その時だった、飛び出した柚花に、洋子の銃口が向いた。
驚く柚花と、ニヤッと笑う洋子の顔を見て
「っ!」
俺は咄嗟に飛び出した。どうしてだか分からないが、気がついたらそうしていた。
飛び出した俺を中心に、柚花と、洋子の銃口が一直線に結ばさった。
パパパッ!
――まずはこめかみに痛みが走った。その後に銃声が聞こえた。聞こえたはいいが、そのまま俺は通り過ぎた銃弾に引っ張られるように、後ろ向きに倒れた。ついでに、洋子が驚愕した顔も見えた。
「先輩っ!」
柚花の悲鳴のような声も聞こえるが、返事が出来ない。というより、声が出なかった。おまけに、だんだん意識が薄らいできた。まるで死に際みたいな感じだ。
「(あ……やばいかな、俺……)」
そう思いつつも、そこで俺の意識は途切れた。
「……ぱい……せ…ぱい……」
何か、遠くの方で声が聞こえてくる。妙に聞き覚えのある声だった。
「…んぱ…………せん…い……」
だんだん、声が大きくなってるような気もする。
「せん…い……先輩っ!」
「うおっ!」
まずは柚花の顔が目に映った。涙目になりながら、こっちを見ていた。
辺りを見渡すと、そこは屋上ではなく保健室だった。
「大丈夫ですかっ!?」
「あ、ああ……大丈夫、だと思う」
軽く頭を振ってみた。少し痛いが、耐えられなくはない。
「良かったぁ!」
ガバッ
「ぐわっ」
柚花が抱きついて、俺の肺にあった空気を全部搾り出した。
「本当に心配したんですよ!」
ギュウゥゥゥゥ……!
「……!」
さらに強く抱きつくから、もう声すら出ない。恐らく今の俺は、新鮮な酸素を求めて、金魚のように口をパクパクさせているのだろう。
「ゆ、柚花っ、死ぬ、これは死ぬ!」
「あっ……」
渾身の気力で声を出すと、ようやく柚花が離れた。
「えっと……あれからどのくらい経った?」
「もう放課後です」
「そっか……」
すると、俺はかれこれ3時間は気絶してたことになるな。
「ほんと、ビックリしちゃったわよ」
カーテンで区切られた向こうから、声がした。
「洋子、か……?」
「ピンポーン」
カーテンが開けられると、洋子もベッドの上で半身を上げていた。
「何でお前まで寝てるんだ……?」
「それは柚花に撃たれたからよ」
洋子は肩をすくめ、柚花の方を見た。
「まったく……幸一はこめかみ掠っただけなのに、柚花ったら完全に錯乱しちゃって「先輩の仇!」とか言って撃ってきたのよ。おかげで右足の肉を持ってかれちゃったわ」
そう言って、右足の方の布団を捲った。太ももの辺りに包帯がグルグル巻きになっていた。
「大丈夫か?」
「何とかね。でも、今度からアンタが危ない目に遭うのはやめてね。じゃないと、また柚花が暴走しちゃうから」
「ちょっ、洋子さん!」
また柚花の顔が真っ赤になるが、洋子はお構いなしにケラケラ笑った。そんな二人を見て、俺も少し笑えてしまう。
「先輩まで笑わないで下さいよぉ!」
「わりぃわりぃ」
ある程度落ち着くと、柚花が真剣な顔で洋子に向かい合った。
「洋子さん、今度先輩を狙ったりしたら、今度は本当に眉間を撃ち抜きますから」
「わかったわよ」
「へっ?」
洋子があっさり承諾すると思ってなかったのか、柚花の目が点になった。
「あたしだって最初から本気じゃなかったわよ。けど、柚花があまりにも本気になるから面白くって」
柚花は赤面した。
「ふふっ、ほんと、精進が足りないわね、柚花」
「よ、洋子さーん!」
二人が口論している(洋子が柚花をあしらってる)中、俺の真っ赤になっていた顔が急激に青くなったのを感じだ。
三人とも無事であったのは良かったが、屋上の惨劇をどう学園側に説明すりゃあいいんだろう……。
何か、遠くの方で声が聞こえてくる。妙に聞き覚えのある声だった。
「…んぱ…………せん…い……」
だんだん、声が大きくなってるような気もする。
「せん…い……先輩っ!」
「うおっ!」
まずは柚花の顔が目に映った。涙目になりながら、こっちを見ていた。
辺りを見渡すと、そこは屋上ではなく保健室だった。
「大丈夫ですかっ!?」
「あ、ああ……大丈夫、だと思う」
軽く頭を振ってみた。少し痛いが、耐えられなくはない。
「良かったぁ!」
ガバッ
「ぐわっ」
柚花が抱きついて、俺の肺にあった空気を全部搾り出した。
「本当に心配したんですよ!」
ギュウゥゥゥゥ……!
「……!」
さらに強く抱きつくから、もう声すら出ない。恐らく今の俺は、新鮮な酸素を求めて、金魚のように口をパクパクさせているのだろう。
「ゆ、柚花っ、死ぬ、これは死ぬ!」
「あっ……」
渾身の気力で声を出すと、ようやく柚花が離れた。
「えっと……あれからどのくらい経った?」
「もう放課後です」
「そっか……」
すると、俺はかれこれ3時間は気絶してたことになるな。
「ほんと、ビックリしちゃったわよ」
カーテンで区切られた向こうから、声がした。
「洋子、か……?」
「ピンポーン」
カーテンが開けられると、洋子もベッドの上で半身を上げていた。
「何でお前まで寝てるんだ……?」
「それは柚花に撃たれたからよ」
洋子は肩をすくめ、柚花の方を見た。
「まったく……幸一はこめかみ掠っただけなのに、柚花ったら完全に錯乱しちゃって「先輩の仇!」とか言って撃ってきたのよ。おかげで右足の肉を持ってかれちゃったわ」
そう言って、右足の方の布団を捲った。太ももの辺りに包帯がグルグル巻きになっていた。
「大丈夫か?」
「何とかね。でも、今度からアンタが危ない目に遭うのはやめてね。じゃないと、また柚花が暴走しちゃうから」
「ちょっ、洋子さん!」
また柚花の顔が真っ赤になるが、洋子はお構いなしにケラケラ笑った。そんな二人を見て、俺も少し笑えてしまう。
「先輩まで笑わないで下さいよぉ!」
「わりぃわりぃ」
ある程度落ち着くと、柚花が真剣な顔で洋子に向かい合った。
「洋子さん、今度先輩を狙ったりしたら、今度は本当に眉間を撃ち抜きますから」
「わかったわよ」
「へっ?」
洋子があっさり承諾すると思ってなかったのか、柚花の目が点になった。
「あたしだって最初から本気じゃなかったわよ。けど、柚花があまりにも本気になるから面白くって」
柚花は赤面した。
「ふふっ、ほんと、精進が足りないわね、柚花」
「よ、洋子さーん!」
二人が口論している(洋子が柚花をあしらってる)中、俺の真っ赤になっていた顔が急激に青くなったのを感じだ。
三人とも無事であったのは良かったが、屋上の惨劇をどう学園側に説明すりゃあいいんだろう……。
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