文学同盟

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日蓮宗は「法華経」を最高の経典とした。それも鳩摩羅什訳の「妙法蓮華経」をよりどころとし、この経典の後半部(本門)で説かれている久遠実成(くおんじつじょう)の釈迦仏、すなわち歴史上の釈迦ではなく、はるかな昔にすでに成仏をとげた本性としての釈迦仏の存在を強調した。そして、この仏に帰依して「南無妙法蓮華経」ととなえて善行をつむことが救いとなるとし、その積極的な実践を奨励した。また、個人の救済だけでなく、社会や国家全体の救済を主張したところにも特徴がある。こうした教えを実行にうつすために日蓮宗では、5つの項目をたてて末法の世における日蓮宗の必然性を説いた。すなわち、日蓮宗の信仰の拠点である本門法華経の教え()は、仏教的素地のない人々()に、適応すべく()、日本()の歴史的要請()に応じたものであるとし、これを五綱とよんだ。そのうえで実践すべき3つの教えである、本門の本尊、本門の題目、本門の戒壇という三大秘法を説いた。「本門の本尊」とは久遠実成の釈迦仏のことであり、「題目」とは「南無妙法蓮華経」のことであり、「戒壇」とは題目をとなえて仏と一になるために修行する場のことである。つまり三大秘法は、本尊たる釈迦仏に帰依し、「南無妙法蓮華経」をとなえて修行することを説いたものである。五綱は日蓮が自らのうけた数々の苦難をとおして考えだされたものである。これにより彼は、自分が本門法華経の教えをひろめるための師としてえらばれたとの自覚に達し、三大秘法を明らかにした。